画像『遠き昭和の・・・』
拳を握り締めて歌う姿が特徴的な演歌歌手と言えば、五木ひろしではないだろうか。数えきれないほどの受賞歴を誇るスター歌手の一人であり、2021年の紅白歌合戦への不出場を発表するまで歴代最長50回連続出場を記録している。
歌い方、ポーズ、そして表情など物真似されることの多い歌手としても知られており、特にものまね芸人コロッケによるものが有名でもある。
ものまねから本人を知るというケースはたびたびあるそうで、コロッケによれば、アンドロイド風に仕立てた五木ひろしの物真似を演じたところ、それを見た視聴者から「自分の子供がコロッケさんの物真似を見て五木ひろしをアンドロイドだと思い込んでいる」という手紙が送られてきたことがあるという。
その歌唱力については、昭和の歌姫美空ひばりが認めた歌手の一人にあげられるほどの実力であり、作曲家上原げんとの内弟子となった際に松方弘樹らと歌を学んだ際には、五木のあまりの歌の上手さに松方が歌手を諦め役者へ転じたほどであるとの逸話もあるほどだ。
かつて、ある意外な人物が彼のファンであったということも話題になった。
2017年、この年の2月に暗殺されたとして一大ニュースとなった金正男(キムジョンナム)のものと思われるFacebookアカウントが発見された。彼の容貌と似た男性写真が公開され、アカウント名がパスポート名と一致していることから金正男本人のものである可能性が高いと言われたそのプロフィールに、好きな音楽「五木ひろし」と表記されていたというのである。
彼の魅力は日本国外にも及んでいたようである。
また、五木ひろしは子どもに対して過保護であると言われている。彼自身は、いわゆるシングルマザーで育てられた身であり、母親は多忙のため一緒に遊ぶ時間がつくれなかったという。その反動ゆえか、五木は自身の子供の運動会や学芸会には必ず参加し、しかも全く子供を叱れない親であったという。
そうした、非常に温厚であるように見える五木ひろしであるが、その一方で闘争心は非常に強い人物でもあり、「人という字は左右で支え合っているのではなく、組み合って戦っている」という持論があるようだ。
そのような五木が、「シブがき隊を怒った」という話がある。
布川敏和、本木雅弘、薬丸裕英からなるアイドルグループ「シブがき隊」の25枚目のシングルとなる「演歌なんて歌えない」という楽曲に対して五木ひろしが薬丸らに激怒したという噂が囁かれていた。
これについて、2017年のTV番組内にて土田晃之などが五木本人に尋ねたところ、「全然記憶にない」と前置きするものの「若い頃は僕もヤンチャだったんで…怒りますよね」と、おおむね認める発言をしたという。が、これはあくまで業界の礼儀やマナーに言及した上での叱責であり、後輩いじめのようなものではないと説明を加えた。
50年以上もの長きに渡り今も現役の彼を支えているのは、衰えることのないこうした強い信念や闘争心の賜物であることは確かだろう。
【参考記事・文献】
五木ひろし 薬丸らシブがきの歌に怒る「この業界、礼儀正しくないとダメ」
https://www.daily.co.jp/gossip/2017/09/30/0010602339.shtml
歌手・五木ひろしはなぜ、60年もトップで活躍し続けられるのか【まとめ】
https://goetheweb.jp/person/article/20230630-itsuki-matome
好きな音楽「五木ひろし」、日本人の友達も 金正男氏、危機意識が全くないFacebookアカウントが発見される
https://times.abema.tv/articles/-/2036013?page=1
【文 ZENMAI】