近年ネットでは未来から来た人物や、タイムトラベラーではないかと思われる人物の画像が話題になることが多い。
ATLASでは過去のアーカイブ、「バナナマン日村はタイムトラベラーだった!?」「タイムトラベラーの遺物」「350年前にスマホは実在した!?」などを紹介している。
このように最近開発された携帯電話やスマートフォンらしきものを持ち操作していると思われる姿や、時代にそぐわない格好をしていると言う点が見られるため、未来から来た人物ではないかといわれているのである。
また、少し前に話題になった未来人ジョン・タイターのように、未来の知識や技術を紹介するケースも見られる。
変わった事例では、オーパーツのような当時の人の技術では製造不可能であろう物に関して、未来人から知識を得て作製したのではないかという説が出る事もある。
こういった事例は海外で報告されるケースが多いが、日本でも該当するのではないかとみられる話が存在している。
江戸時代、現在の東京都青梅市にて開業していた医師で、足立休哲という人物がいた。
彼は名医として知られており、秘伝の薬を使って多くの人々を治療していた そうだ。その薬はかなり貴重なものだったそうで、金持ちには高額な医療費を請求したそうだが、貧しい人々には無償で治療を行っていたという。
この秘薬の製法は誰にも知られていなかったが、彼の家で働いていた女中が台所の床下にあったカメの中から休哲が何かを取り出しているのを目撃。カメの中にあったのは青カビだった。
青カビと言えば、現代でも医療の現場で使われている抗生物質ペニシリンの原料となるものである。
つまり、休哲は青カビの医学的効能を理解して使用していたと考えられるのだ。しかし、青カビの効能がフレミングにより発見されたのは1928年、20世紀に入ってからなのだ。
果たして、足立休哲はどこから青カビの医学的効能を知るに至ったのか。ドラマ化もされた「JIN-仁」のように、現代の知識を持ってタイムスリップしてきた医師だったのだろうか。それとも、何かの弾みで青カビの効能を発見していたのだろうか。
文:飯山俊樹(アトラス・ミステリー担当)
画像『JIN-仁- 1 (集英社文庫―コミック版)』表紙より