これは私が仕事上で知り合ったAさんから聞いた話です。
東北のある霊能者が作ってくれた身代わり人形というものがあります。これはよく相談にくる常連にしかつくってくれないもので、
和紙でヒトガタに切られたものです。
顔が書かれており 一見子供の切り抜きのようにも見えます。しかし、その効果は凄まじく多くの人が命を救われたといいます。
Aさんの祖母はその霊能者の熱心な信者であり、孫にも3体の身代わり人形をもらってきてくれたそうです。
一方のAさんは一切霊など信じない主義で、この人形なども笑って押し入れにしまいこんでいました。
半年ぐらいたった頃でしょうか。ある夜の事です。Aさんは仕事でくたくたにつかれ帰宅早々に寝込んでしまいました。「わさわさ」とまるで紙がゆらぐような音が聞こえます。
凄まじい眠気の中でうっすらと目を開けたAさんの視界にあるものが飛び込んできたのです。
押入が音もなくすーっと開くと、その隙間からひらひらとあの紙人形が空中を漂いながら Aさんの寝ているベットに飛んできたのです。
(これは幻覚だろう。いや絶対幻覚だ)Aさんは自分に言い聞かせるように心の中で繰り返しました。
そのうち、3体の紙人形はAさんの枕元にすくっと立つと歌い始めたのです。何やら奇妙な歌で意味がわかりません。リズムも変で普通の歌ではないようです。
ですが、なんとなく意味は伝わってくるのです。
(明日会社は休まないといけない)Aさんはそう思ったのです。そしてそのまま深い眠りに落ちていったのです。
翌朝Aさんは風邪を理由に会社を休みました。すると会社では仕事がらみの刃傷沙汰が起ったのです。乱入してきたに刃物男に事務所にいた社員二人が刺されたのです。
幸い浅い傷でしたが、もしあの場に自分がいたらと思うとAさんはゾッとしたそうです。
こんな事が3年~5年に1回ぐらい続き、Aさんはもう3度も人形たちに命を助けてもらっています。それ以来、世の中には不思議なものがあると彼は信じるようになったといいます。
こんな事って本当にあるのでしょうか・・・。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)