【実話 怖い話】 謎のシャボン玉

私が小学五年生の夏休みのコトです。当時、子供たちは夏休みの日中は近所の児童館の夏季活動に預けられ、宿題やスポーツ、遊びをやっておりました。

ある日、館内の視聴覚室で映画上映が行なわれるので、私も友人と一緒に暗幕が引かれた薄暗い部屋に集合し、床に座って喋りながら上映を待っていました。

すると、目の前にシャボン玉が1つ現れ、ふわふわとゆっくり床に落ち、割れたのです。




誰かがシャボン玉を吹いたのかな、と思って回りを見渡しても、それらしい道具を持った子はいません。20畳ほどの視聴覚室は密室で、私たち三人と、別グループの数人の子が前の方に座って喋っているだけです。

友達と「おかしいねぇ」といいながら喋っていると、また上からシャボン玉が1つ、ふいっと現れ、ゆっくり落ちて床に触れて割れたのです。

まわりにはそれ以外のシャボン玉はなく、どこからか流れてきた様子もありません。

上映が始まり、見ている最中にもシャボン玉は数分に1つづつ、同じように上からいきなり現れ、私たちの周りに落ちてくるのです。




見ている最中に手遊びをしても監視役の担当者のお兄さんたちに怒られるのですから、上映中にシャボン玉を吹いて遊ぶなど不可能なこと。なのに上映中の1時間ほどのあいだ、謎のシャボン玉は、数分に1つづつふいっと現れ、ゆっくり落ちて床に触れて割れ、丸い跡を残したのです。

上映が終わって、電気がついたら、私たち三人が座っていた周辺だけ、割れたシャボン玉の粘っこい跡がいくつも残っていました。

それからの数日間、その視聴覚室の周辺の誰もいない廊下で、何度もその1つだけ飛んでくるシャボン玉を友人とともに目撃しました。

明るい所で見ると、そのシャボン玉は石ケン水独特の虹色の反射はなく、ただの無色透明で、上昇することもなく、ただ重力にまかせてゆっくり落ちてくるという不思議なものでした。

いまだにその正体はわかりません。

(談:あーりん ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)





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