サブカル

世界一有名な子役「マコーレー・カルキン」の波乱な人生

画像『ホーム・アローン 4K UHD [Blu-ray]

1990年に公開されたアメリカのコメディ映画『ホーム・アローン』は、現在でもクリスマス映画の代表作として知られている。あることから、家族旅行で一人家に残された少年ケビンが、家に侵入してきた泥棒たちとの奮闘を描いた作品として世界的なヒットとなった。

なんといっても欠かせないのは少年役を演じたマコーレー・カルキンであろう。出演当時10歳であった彼は世界一有名な子役として脚光を浴びた。その影響から、のちに主演・出演した作品ではギャラが高騰し続け、子役としては破格となる日本円でおよそ6億円を超えるギャラが支払われたとも言われている。

しかし、マコーレー・カルキンのその後の人生は波乱に満ちたものとなった。舞台俳優としても活動していた父親のキット・カルキンのマネジメントによって、マコーレーは4歳から子役としてその世界に身を投じることとなった。彼の人生に暗雲が立ち込めたのは、父親がきっかけであった。

史上最高額のギャラを得るほどの地位を得たマコーレーであるが、これに味を占めた父親は、息子の出演作品やギャラ交渉に口を出すようになり、非常識な振る舞いと要求を繰り返していたことで、周囲はマコーレーともども腫物のように扱うようになった。また、父親は息子の才能に対して大きな嫉妬と劣等感を抱き、精神的・肉体的な虐待を行なっていたという。

のちに、両親の破局によって親権を巡り裁判が行なわれることとなったが、メディアが「両親はマコーレーの親権ではなく稼いだ金が欲しいのだ」と騒ぎ立てたことで騒動が燃え広がった。この時マコーレーは10代にして重度のアルコール依存症となっており、酒瓶を持って徘徊する様子が報道されるほどであったという。

そして判決後、彼は15歳で映画界を去ることとなってしまった。1997年公開の映画『タイタニック』でレオナルド・ディプリオ演じるジャック・ドーソン役のオファーもあったが、普通の学生生活を送りたいという意向から断っていたという。




2000年ごろから時折舞台出演を行なっていたが、2004年9月にマリファナおよび規制薬物の所持で逮捕され刑務所に拘留、のちに保釈となる。薬物絡みはその後も尾を引き、2012年には彼がヘロイン中毒で余命半年というゴシップが報じられ、またアパートで遺体となって発見されたという悪質なデマ情報がネット上で広まったこともあった。

また彼については、マイケル・ジャクソンとの噂もあった。彼は10歳のころ家族と共にネヴァーランドを数度訪れたことがあったそうだが、マコーレーがマイケルにズボンに手を入れられいたずらされていたという証言がなされた。のちに彼は「同じベッドに寝ただけで性的なことは一切ない」として、この証言を否定している。

近年は、俳優活動も復帰しており、2018年「アメリカン・ミュージック・アワード」に登場して以来、メディア露出も増えてきているという。同年にはGoogleアシスタントのCMにてケビン役を26年ぶりに演じ、撮影場所も映画と同じ邸宅で決行されたことで大きな話題を呼んだ。

さらに、トーク番組にてミドルネームの改名を宣言、その後ファン投票の結果「マコーレー・マコーレー・カルキン・カルキン」に正式改名することが発表され話題となった。子役時代の経験が発揮されつつあるのだろうか、彼のエンターテイナーとしての振る舞いは徐々に解放されてきているようである。

「子役は大成しない」というジンクスがよく囁かれるが、近年では子役を経てなお活躍し続ける者やいわゆるリターン組の存在も現在では日本においては珍しくなくなっている。かつてほどではないとしても、再起を果たした彼の更なる活動に期待したい。

余談だが、『ホーム・アローン』にエルヴィス・プレスリーがカメオで出演しているという都市伝説があるようだが、このことについてはマコーレーも耳にしたことがあったらしく、さすがに真偽については本人もわからないとのことであった。

【参考記事・文献】
かつての面影はどこへやら…マコーレー・カルキンの壮絶人生【世界一有名な子役】
https://renote.net/articles/197834
『ホーム・アローン』公開から30年。子役マコーレー・カルキン、今何してる?
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_61c2ea1be4b0d637ae8841c7
俳優マコーレー・カルキンの波乱万丈な過去と現在 主な出演作も紹介

俳優マコーレー・カルキンの波乱万丈な過去と現在 主な出演作も紹介


カルキンも言及した『ホーム・アローン』の都市伝説、エルヴィス・プレスリー生存説
https://front-row.jp/_ct/17634502

(ZENMAI 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)