UFO・UMA

ニュージャージー州に伝わる謎の怪生物「ジャージーデビル」

ジャージーデビルは、アメリカの伝説上あるいは未確認生物の一種とされている謎の生物である。体長約1~2メートルで馬のような長い頭部をしており、コウモリのような翼で飛行し家畜を食い荒らすといった特徴が報告されている。名前の「ジャージー」は、最初の発見の地とされるニュージャージー州から取られている。

その姿から悪魔と形容されるジャージーデビルには、その誕生にまつわる伝承が残されている。1735年、ニュージャージー州にリードという名の夫人が住んでいた。リード夫人は貧しいながら12人の子どもを産み育てていたのだが、13人目に身ごもった子どもがかなりの難産であった。

そのせいかリード夫人は、「こんな子どもは悪魔になってしまえ」とつい叫んでしまい、次の瞬間、生まれ落ちた子どもの姿はコウモリの翼を持った馬のような悪魔であったという。直後については、両親を殺害した、両親が精神を病んでしまった、産婆がショック死した、12人の兄弟を手にかけたなど諸説あるが、その後逃走し現在もなお森の中に潜んでいると言われている。


また一説には、子どもの一人が森の中で奇妙な卵を拾って帰り、家の暖炉で暖め生まれ出てきたのがジャージーデビルだったという話もあるようだ。

この話が発端となって以降、今日に至るまでジャージーデビルの目撃が数多く報告されるようになった。1800年代初頭には、飛行しているジャージーデビルが軍のキャノン砲で攻撃されるも体に穴があいたままで飛び去ったと言われ、1899年には多くのヒツジやニワトリがジャージーデビルによって食い荒らされるという事件も発生したという。

1909年1月には、地元のブリンストル郵便局の局長が鳥の体に馬の顔を持つ、これまで見たことのない怪物が上空を飛び回っているのを深夜に目撃した。夜が明けると、降り積もった雪上には猟師ですら見たこともないという奇妙なヒヅメの足跡がいくつも残されていたというのである。2日後には、グロースター市で奇妙な物音を立てる怪物が目撃され、この時の証言を基にしたスケッチが地元新聞社によって掲載された。




当時は、ジャージーデビルの名が紙面を踊るだけで新聞が飛ぶように売れたと言われている。

ジャージーデビルについては、ウマヅラコウモリあるいはカナダヅルを誤認したものであるという説や、翼竜の生き残りであるとする説、他にもチュパカブラスの亜種ではないかという説などが唱えられている。1906年に起こったジャージーデビルのパニック騒動では、イベントPRのために作られたやらせの宣伝が発端であったことが明らかになっている。

実際にフェイクとなる事件や目撃があったのは確かであるが、ジャージーデビルは現在でも目撃情報が絶えない。現地では、フィールドワークとしてこのジャージーデビルを追う民間組織「ザ・デビル・ハンターズ」が存在し、今も地道な調査が行なわれているという。また、先ごろ2023年6月には地元のレストランにあるジャージーデビルの像が盗難されるという事件も発生している。

恐怖の象徴とされているジャージーデビルであるが、このように一方では地元に密着した深く愛される存在でもあることも強く見て取れるのである。

【参考記事・文献】
南山宏『世界の未確認生物カラー大百科』
赤ちゃんが悪魔に! 謎の生物「ジャージーデビル」【UMA図鑑#44】
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/13679
ジャージーデビルの正体判明!米軍も関与!?
https://chahoo.jp/jersey-devil/

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(ZENMAI 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

Photo credit: wallyg on VisualHunt