オーパーツ

エジプトの壁画・レリーフに描かれた「電球」や「ヘリコプター」の正体

エジプトの壁画やレリーフには、神話や当時の風習などが数々の図絵で描かれており、それらが何を示して描かれたものであるかは、現代に至っても調査や研究が続けられている。その中には、まるで古代に失われた高度な技術を思わせるような実に不可解なものが描かれているように見える奇妙な壁画・レリーフも存在している。

まず一つは、エジプトのデンデラにあるハトホル神殿。ここはハトホルという美の女神に捧げられた神殿であり、古王国時代にはすでに建設が行なわれていたほどに古い神殿である。この神殿には、クリプトと呼ばれる壁と壁の間や地下に空間が設けられているのだが、そのある一画に“細長い電球”を思わせる石造りのレリーフが存在するのだ。

そのデザインは、巨大なガラス管の中にフィラメントがあるようにも見え、電球の根元に口金とそれにつながるケーブルが走り、その本体が台座で支えられているという具合で描かれているのだ。「デンデラの電球」と呼ばれるこのレリーフがある場所は、屋外の光も届かない場所でもあるため、こうした電気技術によってレリーフが作られたことを示しているのではないかとも言われていた。

もう一つ、アビドス神殿も注目に値する。アビドスは、古代エジプトにおいてオシリス神の復活の地すなわち聖地とされている場所であり、ここに建つ神殿は現存する中でも最も保存状態の良い神殿の一つとされ、ユネスコ世界遺産にも登録されている。このアビドス神殿のある個所には、なんとヘリコプターを思わせるような奇妙な壁画が存在しているのだ。

このヘリコプターには羽はもちろんのこと機体末尾のテールローターと思しき箇所もあり、側面から見たヘリコプターを描いたとすればかなりしっかり描かれているように思えるものとなっている。この傍には円盤型のUFOのようなものも描かれており、かねてより囁かれているエジプトの遺跡と高度な文明を持ったエイリアンの関与をイメージさせるものとなっている。

これらの電球やヘリコプターのレリーフ・壁画は、オーパーツあるいはオーバーテクノロジーを示したものとして紹介されることも多いが、この正体が一体何であるのかについては、実はほぼハッキリしている。

電球については、フィラメントをよく見ると先端に蛇の顔が付いており、口金とケーブルはハスの花と茎、ガラス管のような細長い部分はハスから放たれる光を表しているという。蛇及びハスの花は、再生や誕生を意味するものとして尊重されており、このレリーフは「創世の神話」を描いたものであろうと考えられているのだ。

またヘリコプターについては面白い事情があり、なんとこの壁画は2種類のヒエログリフが重ねられて書かれているというのである。元は古代エジプトのファラオであるセティ1世の名前が記されていたのだが、漆喰が上塗りされて後継者である息子のラメセス2世の名前がそこに書かれたのだ。のちに上塗りした漆喰のみが崩れ落ちてしまい、両者の名前が重なった形で偶然にもヘリコピターやUFOのような図絵になってしまったというのである。

このように、「電球」や「ヘリコプター」については偶然にそう見えたに過ぎないという結論が有力であるようだ。しかし、それでもまだよくわかっていない事柄があることも事実である。電球の箇所は先ほども言った通り屋外の光が入らないような場所であり、また炎などを利用したススの痕跡も無く、どのように描いたかはハッキリしていない。

また、ヘリコプターについても、そのように漆喰が崩れて重なったという例が、他の場所で確認されていないとも言われていることから、なぜそこだけで行なわれたのかについてもよくわかっていない。現代の我々が知ることのない仕組みや現象あるいは事実が、まだまだこれらには隠されているのである。

【参考記事・文献】
古代エジプト遺跡に描かれた「デンデラの電球」とは? 失われた先進文明、あるいは…
https://news.biglobe.ne.jp/trend/1104/toc_221104_7547437897.html
アビドス神殿のヘリコプターは本当に偶然なのか?伝説の真相に迫る!
https://js1126.exblog.jp/30357576/

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(黒蠍けいすけ 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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