今年9月、メキシコ議会にてUFOに関する公聴会こと「未確認異常空中現象(UAP)規制のための公聴会」が開催された。
当初はアメリカ議会でも行なわれたような未確認飛行物体に対する情報公開や対策の協議が行なわれるかと思われていたが、なんと証拠の一つに「ペルーで発見された本物の宇宙人のミイラ」が登場。しかも公聴会の模様はウェブ配信されていたこともあって、世界的に注目を集める結果となった。
公聴会に提出されたミイラは2017年にペルーの都市パルパとナスカ近郊の洞窟遺跡にて埋葬されている状態で発見された複数体のミイラのうちの2体で、UFO研究家ハイメ・マウサン氏が所有しているものだ。
マウサン氏はこのミイラが今から1000年前の、正真正銘のエイリアンのものであると主張しているが、メキシコ議会の方は「ミイラが提出されたからといって、ミイラが本物だと認めた訳ではないし、UFOもといUAPが全て地球外生命体によるものだと認定している訳ではない」と述べている。しかし公聴会によるイメージは容易に覆せず、また議論の焦点も必然的にミイラの方に集中してしまう結果となった。
物議を醸した公聴会の結果を受けてか、メキシコ議会は再び公聴会を開催。今度はマウサン氏の「宇宙人のミイラは本物か」追及することになったのである。
再び公聴会に姿を現したマウサン氏の主張は変わらず、ミイラのDNAの30パーセントが「未知の物質」であり、極めて希少な金属を含むインプラントが体内に存在すると発表した。
しかし、彼の主張は今回の公聴会ではほぼ全面的な批判にさらされた。多くの医師や科学者はミイラが本物であることは否定しなかったものの、マウサン氏の「地球外生命体のものである」という主張には同意せず、エイリアンは実際には遺跡から運び出された人間のミイラか、それを加工したものである、と主張していた。
一方のマウサン氏も「遺体が偽物である」という非難に対する反証に力を注いでおり、「(ミイラに対する研究結果が)地球外生命体であることを証明していると言う科学者はいません。私は彼ら以上の多くの事を知っています」と述べ、ミイラが “非人間的 “であるという自身の見解に言及していた。
果たしてこのミイラが本物のエイリアンのものなのか、それとも人間や動物由来のものなのかは公聴会では明らかにならなかった。しかし、ミイラが無加工の、特異な身体的特徴を持った人間のものであるか、それとも既存のミイラに何らかの手が加えられたものなのかは専門家の間でも結論が出ていない。
例えばサン・ルイス・ゴンザガ国立大学の人類学者ロジャー・ズニガ氏は、この遺体は手を加えられていない本物の人間の遺体であると固く主張している人物の一人だ。彼は「ミイラの物理的・生物学的形成に、人間が介入した痕跡はまったくありませんでした」と述べている。
果たしてペルーで発見されたミイラの正体は何なのか。真相が明らかになるのはもう少し先になりそうだ。
Mexican Congress holds second UFO session featuring Peruvian mummies https://t.co/V1bY50tm3w pic.twitter.com/6586uQIICN
— Reuters (@Reuters) November 8, 2023
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 https://twitter.com/Reuters
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