先日、猫を袋に入れて海中に遺棄し、殺害するという事件があり、日本中の猫好きに衝撃を与えたが、UMAに分類される「翼猫」も殺害されたことがある。
読者の皆さんは、翼のはえた猫「翼猫」をご存じだろうか。
一種の奇形動物なのかもしれないが、背中に羽(のように見える骨の突起)がはえた猫の事である。
別名「空飛び猫」「こうもり猫」「フライング・キャット」とも言われている。
十九世紀から世界各地で目撃され、その愛らしい仕草で人々を楽しませている。だが、過去にロシアで虐殺されてしまった事件があった。
2004年8月ロシアのクルスクにて翼のある猫が発見された。当初は普通の猫と思い込んだ住民の親子が餌などを与えていた。
「お母さん、この猫、翼があるよ」
娘が気味悪そうに猫の背中の翼をつまんだ。
「なんですって」
母親がいぶかしげに覗き込む。
「ひぃぃぃぃ、これは悪魔の使いよ」
猫の背中に翼があることがわかると、村中がパニックになった。
「どうしたら、いいだろう」「そっと、しておくのが一番かな」
結局、村人は新聞社に一報を入れた。
「早く記者に来てもらって、あの気味悪い猫を持っていってもらいたい」
そのうち、酔った村の男が猫にカラみ始めた。
「だいたいよ、この猫は悪魔の使いじゃねえか!」
と喚きながら、翼猫を袋に入れた。
「このまま、死んでしまえ」
そして、その袋を池に放り込んでしまった。
「なんてことをするんだ」
村人から悲鳴があがった。
ようやく新聞記者が到着したが、その事態に記者も怒りをあらわにした。
「貴重な動物なのに、しかも動物だって命は大切じゃないか」
記者は池にかけより、猫を引き上げた。
「なんてこった」
だが、哀れなことに既に水死していたという。なお記者は猫の背中に翼らしきものを確認したと伝えられている。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)