サティア・サイ・ババは、インドの超能力者・スピリチュアルリーダーである。日本語では「サイババ」として表記され、1990年ごろに作家・医学者である青山圭秀(まさひで)氏が著書で紹介したことにより、日本のメディアでも広く取り上げられた。
サイババ(本名サティヤ・ナーラーヤナ・ラージュ)は、1926年に南インドの小さい村に生まれた。幼少のころから優れた力を持っていると評判であり、村の中では「グル(導師)」や「ブラフマグニャーニ(神を知る者)」と呼ばれていたという。14歳になったある時、1918年に亡くなったヒンドゥー教の聖人「シルディ・サイ・ババ」の生まれ変わりであると宣言し、この時から「サイババ」を名乗るようになる。
不治の病を治すなどの奇跡によって人々に知れ渡るようになり、インドを中心に世界各国で数百万人を越える信奉者を持つに至った。信奉者の中には、インドの元首相アタル・ビハリ・バジパイをはじめとして、裁判官、俳優、将軍などもいたという。
彼の奇跡は、人々の前世を読み取る、致命的な病気を治療するといったものが語られているが、中でも特に有名なのが「ビブーティ」と呼ばれる聖なる灰を手の平から出現させるものである。彼が手の平を下にかざして振ると、何も無いはずの空間から灰がさらさらと落ちてくるというのだ。
このいわゆる“空間から物体を取り寄せる”といった奇跡は聖なる灰に留まらず、指輪やネックレスといった物体をも取り出して見せるというものにまで至った。
ただし、当然というべきか彼のこの奇跡については疑問視する声が当初から噴出しており、奇術にすぎないとの意見が多く沸き起こった。その追及は検証番組が設けられるほどであり、彼の叔父がプロのマジシャンであったことも判明した。のちにサイババ自身が、叔父から奇術を教えてもらったことを明らかにしているという。このことによって非難が多く寄せられ、一時的に信奉者を減らすこととなった。
彼の奇跡が疑惑を多く残す一方で現実での彼は、無料の学校や病院を建てる、水道設備を整えるといった社会奉仕活動を広く行なっており、これについては各国からも高く評価されていた。2011年に85歳で亡くなった際に国葬が行なわれたということからも、いかに彼がインドにとって重要かつ象徴的な人物であったのかがわかる。彼は死の数年前に「生まれ変わる」ことを予言したと言われている。
その時が来ることを注目していきたい。
【参考記事・文献】
・神の生まれ変わり? サイババの魅力とは
https://www.choeisha.com/column/column42.html
・サティヤ・サイ・ババとは|数々の奇跡や霊能力にまつわる5つの話
https://spirituabreath.com/satiasaibaba-12499.html
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(にぅま 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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