以前アトラスにて、メキシコの海に巨大なピラミッド状の地形が存在することを書かせていただいた。
この記事の中で、よく似た事例として日本の沖縄、与那国島の海底遺跡を簡単に紹介した。与那国島の海底遺跡は、東西約250メートル、南北約150メートルほど、高低差は約25メートルという非常に巨大なもので、人が歩けるような階段状の通路やステップ、テラス、大広間などが存在している。
他にも石を切り出すためのクサビ跡と思われる小さな穴が一定間隔で直線状に存在していたり、柱を立てた跡とみられている穴や巨大な大岩を垂直に切り出そうとしたと思われる箇所もある。
また、日時計に用いられたと思われている太陽石や亀を図案化したような奇岩等も存在しており、この遺跡が神殿などの宗教的な施設として使われていた様子がわかる。この遺跡は1986年に地元のダイバーにより発見され、1990年代の超古代文明ブームに乗って世界中で注目されることになった。この遺跡こそ、ムー大陸など超古代文明の遺構ではないかと注目されたのだ。
この与那国の海底遺跡は遙か昔の人々によって作られたものなのだろうか?地質研究の結果、海底遺跡は与那国島の八重山断層群に沿って形成されているという。地質学的年代は約200万年以上前、いわゆる氷河期の時代である。人類はやっとその祖先である猿人や原人が出てきたところだ。
また、海底遺跡の平らになっている所の多くは水平ではなく、東南方向に10~15度傾いている。実際の地形だとすると、坂や緩やかな斜面として認識される角度でもある。では、海底遺跡はどのように作られたのか。
実は海底遺跡の近くにはサンニヌ台という奇岩群がある。波や風の浸食を受け、平らな岩盤が重なった階段状の地形になっている場所でもある。海底遺跡も同様に、浸食と風化で形成されたとみられているのだ。もっとも、天然の造形であっても非常に興味深い存在であることに間違いはない。
島では遺跡を近くで見る事ができるグラスボート等もあるので、興味のある方は一度実物を見に行ってみてはいかがだろうか。
関連動画
The mystery of Yonaguni underwater structure01
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
※写真はYOUTUBEからのキャプチャ