2014年、中東のジョーダン(旧ヨルダン)はジャラシュの発掘現場にて、小さな遺物が発見された。
それは5センチほどの銀製の巻物で、表面は腐食しているものの厚み0.01センチもの薄さに引き伸ばした銀の板を丁寧に丸めた形となっている。錆を研磨してみたところ、何かが記載されている事は明らかになったが、巻物を更に広げて確認するには脆くなってしまっており、解読は不可能かと思われた。
しかし、2015年にCTスキャンが行われた結果、各5文字からなる17行の文章が存在する事が明らかになった。最初の行はギリシャ語の綴りを含んでいたものの、それ以外は未だ解読には至っていない。専門家によればこれらの文字は「偽アラビア語」ではないかとされ、密かに魔法の呪文を記してお守りとしたものではないかとみられている。
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Mysterious “Magic Spell” Found in Ancient Amulet on a Silver Scroll
当時は識字率も低かったため、意味をなさない文字列でも呪文のように見えたため、このようなお守りが多数作られたのではないかと考えられている。
同様の小さな巻物はセルビア等でも発見されており、底には「相手を縛る」意味を持つ魔法の言葉が書かれ、死を悼む言葉や悪魔・悪霊から死者を守るための言葉とともに記して副葬品として添えておくことで、その人の魂が悪霊になってしまう事を防いだり、死後の安寧や成仏を祈る意味があったのではないかとされている。
昔の人々は、言葉や文字の秘める力は強いと考えていたのだろうか。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像&動画©ShantiUniverse/YouTube