セルビアにて約2000年前の人骨と共に発見された奇妙な副葬品が注目を集めている。
セルビア北東ヴラニチェヴォ群Kostolacの石炭火力発電所近くにて発見された古代ローマ時代の都市遺跡より発見されたもので、非常に小さい鉛製の筒の中に、金と銀で作られた巻物が入っていた。それぞれの巻物にはアラム語と思われる文字が刻まれているという。
現地で発掘調査を行っている考古学者の見解では、この小さな巻物は魔法の呪文が書かれた一種のお守りではないかと述べている。
時代はおよそ紀元前4世紀頃のもので、他国でも見られる「相手を縛る」意味を持つ魔法の言葉が書かれているとされている。
当時の人は意中の相手に相手を思う気持ちを込めた文章をこのようなお守りにして、相手に託していたとされている。
今回発掘されたものは、非業の死を遂げて亡くなってしまった人へ送ったもので、死を悼む言葉や悪魔・悪霊から死者を守るための言葉を記して副葬品として添えておくことで、その人の魂が悪霊になってしまう事を防いだり、死後の安寧や成仏を祈る意味があったのではないかとされている。
死者を悼む魔法の言葉が墓などに書かれる事例は世界各国に見られる。エジプトの王家の墓にみられる多くの壁画とヒエログリフがその代表格だ。
正確な内容はこれからの研究結果によって明らかになるとみられている。
約2000年前に託された言葉の内容はどのようなものだったのか。明らかになる日は近い。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)