今年、2018年はかつて日本中を震撼させた「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」から30年という節目の年になる。
犯人の宮崎勤も10年前の2008年に絞首刑に処され、今となってはやや風化した感もある事件だが、世のオカルト好きの間では「中森明菜の予言」、「心霊体験」、「スナッフフィルム」など、さまざまな形で彼の名前を現在でも見聞き出来る事件でもある。
かような「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」であるが、オカルトファンの間でも不思議と殆ど触れられない出来事があった。それが「呪われた宮崎勤」という騒動である。
これは某大手週刊誌に掲載された『宮崎勤の腕部分に女性の顔らしきシミが浮き出ていた!』というもので、某週刊誌はこの写真を「殺された女性の顔か!?」「宮崎勤の犯行は怨霊の仕業か?」と掲載し、世のマスコミおよび読者は一時騒然となった。
ところが、この宮崎の心霊写真騒動は意外な形で終焉を迎えることになる。
実はこの心霊写真は、掲載した週刊誌の編集者がエアブラシなどを使い、作為的に人の顔を描き上げた「フェイク写真」であることが判明したのだ。
指摘したのは、元写真の原版ネガを持っている某大手新聞社の人間で、貸した写真が改ざんされていたことに気がつき、抗議したところ、相手の週刊誌側もそれを認めたという。
なお、週刊誌の言い分としては、「顔らしきものはうっすらではあるが確認できる」「読者にわかりやく伝えるよう描き加えた」との苦し紛れの説明がされた。しかし、真実を的確に伝えることが使命のはずの報道機関が自ら心霊写真を捏造することは言語道断であり、決して許されることではない。
「呪われた宮崎勤」は上記の事情からオカルトファンの間では軽視される出来事ではある。とは言え、真実と虚偽が混じりあい、一見では何が本当かわからない平成末期。こんな時代だからこそ、見直すべき事件ではないだろうか。
(文:アリナックス城井 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像『夢のなか、いまも』