心霊現象研究協会が調査に乗り出した!英国最恐の幽霊屋敷「ボーリー牧師館」(4)より続く
次の居住者ライオネル・フォイスター牧師夫妻が越して来たのは1930年の10月のことだった。
彼らはこの館に5年間居住したが、よくぞそれだけの期間、暮らす事ができたものだと感心してしまいたくなる。彼らが住んでいた時に怪現象は最もひどい状況になったのだ。
窓が割れる。小石が飛ぶ。ベルが鳴る。そして、急にボトルが宙に現れ飛び交った。このボトルは外の鍵付きの物置に入れてあったものだったという。
もはやこうしたポルターガイスト現象は序の口で、フォイスター家の人々に危害を加えるまでになった。
娘のアデレードが鍵の無い部屋に閉じ込めらたり、寝ていたフォイスター牧師が頭に殴られたような痛みを覚え起きてみるとブラシが転がっていたということもある。妻のマリアンヌもいきなり拳が飛んで来て殴られたり、ベッドから投げ落とされることもあった。
被害はフォイスター一家だけに留まらなかった。
客人が家の中でぼんやりとした人型のものに殴られたこともあった。亡霊も頻繁に現れた。なんとその中にはヘンリー・ブル牧師もいたという。「ミサを唱えよ」という文句や「助けて」という血のような色の文字が壁に浮き上がるようにもなった。
アデレードが得体の知れないものに襲われたのを期に、フォイスター牧師は悪魔払いの儀式を行うことにした。だが、儀式の最中にポルターガイスト現象が起き、飛んで来た石で肩に怪我を負わされるなどの妨害に遭い、失敗に終わってしまう。
再度、悪魔払いが行われたがやはり上手くいかなかった。
最終的に一家は霊との対話を試みることにした。礼拝堂で祈りを捧げ、館の周囲に十字の刻印を施した上で、ヘンリー・ブル牧師が死んだ「青の部屋」に入った。そして、皆で「どうかこれ以上の危害を加えることはおやめください」と繰り返し告げた。
しばらくすると、壁の中から人型の黒い影がにじみ出て来て、消えていった。ようやく怪異は起きなくなった。だが、それも一時的なものに過ぎなかった。
(※続く)
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©Wikipedia Rectoría de Borleyより