最近ミサイルを続けざまに発射している北朝鮮の金正恩第一書記。
2014年には糖尿病で斃れたとか、足を切断したというような情報が流れたにもかかわらず、最近は元気にミサイル発射に立ち会い、さまざまな情報を発信している。しかし、よく考えてみれば「糖尿病劇的に完治するのか?」という疑問もある。
そのような疑問を持っているときに、やはり北朝鮮の要人や上級軍人が次々と粛清されたりあるは身分を失って農村部などに下放されるということが明らかになっている。昨年の夏以来約1500人以上の粛清人数になっているのである。これは何があったのであろうか。
実際に、北朝鮮という国家は、何があっても特におかしなことはない。
政変があってもクーデターがあっても、また、新兵器が開発されても、特に不思議と思わないのがこの国の特徴である。しかし、それだけに「真実を知りたい」と思うのは、これもまた人間心理である。
そこで、脱北しシンガポールに逃げた、旧北朝鮮上級官僚の人物に話を聞いた。
そこには驚きの言葉が隠されていたのである。
「金正恩第一書記の糖尿病・そのほかの病気は完治したのか?」
「糖尿病が完治するということはない。特に金第一書記の場合、足の指を切断してしまっているので、それが復活することはない。」
「最近元気そうに見えるが、それは何か秘訣があるのか?」
「北朝鮮には金正日総書記の時代から漢方薬の精力剤があり、それで元気になるという。」
「その精力剤は何か?」
「黒ガエルの後ろ足のケンの部分を水と一緒に飲む。黒ガエルとは北朝鮮の白頭山にいる背中の黒い蛙で、えさの都合でミネラルなどさまざまな栄養素を持っている。蛙は飛び跳ねるために後ろ足のケンの部分が最も栄養が行き渡っており、その部分を飲むことによって勢力がつくといわれている」
「金正恩第一書記もそれを飲んでいるのか?」
「もちろん飲んでいると思う。少なくとも私が平壌にいたころは飲んでいた」
「それで、船に乗ってSLBMの発射なども見ることができるのか?」
「それは違う。足の指を切断した人が、不安定で甲板も濡れて滑りやすくなっている船の上に簡単に行けるはずがない。」
「ではなぜそのような写真があるのか?あれは合成写真家?」
「違う、あれは金正恩第一書記の影武者だ」
なんと、金正恩第一書記の影武者であるということを言い始めたのである。
「どうしてわかるのか?」
「北朝鮮は、骨を削るとか、太らせるとか、肌の色を変えるなどの整形は不通に行えるので、なかなかわからない。しかし、整形の技術で基本的には替えられないことがある。それは耳の形と歯並びである。この二つを比較すれば、影武者と本物の見分けはすぐにつくはずだ」
筆者は、すぐにそのことを調べてみた。すると、確かに耳たぶがあったり、あるいは完全に耳たぶが切れてしまって無くなっているものもある。また、歯並びも犬歯が出ているものとそうではない金正恩がいることがわかる。
「確かに耳が違うが、これも整形ではないのか?」
「耳のように軟骨でできている部分はなかなか形を変えにくいし、変えても手術の跡が残ってしまう。特に耳たぶのような場所は、とったりつけたりはしない。そのために、ミサイルの実験では、寒い時の耳当てで耳を隠しているはずだ」
「何人くらい影武者がいるのか?」
「私が確認しているだけで、骨格が違うものも含めて15人。本人を入れて、過去16人の金正恩第一書記が映し出されている。しかし、そのほとんどはテレビや新聞の写真なので、確実なものとは言いにくい。」
さて、金正恩第一書記の影武者の存在が、明らかになった。
アメリカ軍は、米韓軍事演習で金正恩第一書記を暗殺する暗殺部隊を投入して訓練を行っている。しかし、それを避けるためなのか、影武者を大量に作っているのである。
文章が長くなったので、今回は「影武者の存在」までで、次回、「どうやって影武者を作るのか」「なぜわかったのか」「何の目的で影武者を作ったのか」ということのインタビュー結果をお知らせしよう。
文:宇田川敬介(作家・ジャーナリスト)