とんでも事件

狩野英孝はラッキーだった!?実際、ライオンに襲われたお笑い芸人がいた!

1月27日、フジテレビ系列で放送された『坂上探検隊』の番組内容が大きな話題となっている。

番組は、芸人・狩野英孝が動物の着ぐるみの中に入り、アフリカで現地の猛獣とのツーショット写真を自撮りするという企画にチャレンジした。ところがチーターやライオンなどの猛獣が狩野をめがけて襲うシーンが放送されて、「あまりに危険なのでは」と視聴者から多くのクレームが寄せられていた。

幸い狩野はケガもなく無事に帰国しているのだが、実は昭和時代のテレビ番組では今回の狩野と同様にライオンからの襲撃を受け、こちらは運の悪いことに大ケガを負ってしまった芸人が実在していた。




その芸人とは落語家の桂小軽(かつら おかる)という人物である。

小軽は1977年自身の兄弟子である桂三枝(現:桂文枝)が司会を務めるバラエティ番組『いたずらカメラだ!大成功』(テレビ朝日)に出演。この番組は芸能人や一般人にドッキリを仕掛け、そのリアクションを楽しむ番組で、何も知らされていなかった小軽は番組スタッフに騙されライオンの檻に閉じ込められてしまった。

「うわぁ!ライオンだ!助けてくれ!」

泣き叫ぶ小軽のリアクションは芸人としては100点満点であったが、この時小軽はライオンの鋭い前爪で右脇腹を引っかかれ流血してたのである。

「助けて!血が出とる!」

しかし、番組の撮影クルーは小軽のリアクションを撮るのに必死で、他のスタッフも小軽を助けたりせずにただ笑って見ているだけだったという。

ようやくカットがかかり、小軽はライオンの檻からようやく開放。襲われた脇腹の傷は想像以上に深く緊急入院となってしまった。




この事件に対し激怒したのが小軽が当時所属していた日本芸能実演家団体協議会(芸団協)で、「芸人には人権ちゅうもんはないんか!」とテレビ朝日に猛抗議した。

その結果なのかはわからないが、『いたずらカメラだ!大成功』は事件から2ヶ月後の1977年4月で放送が終了している。

『いたずらカメラ』のライオン事件はすでに40年前の事件であるが、今ではすっかりと風化してしまったのだろうか。今回の『坂上探検隊』ではこのことからの教訓は全く活かされなかったようである。

(文:パンダ・レッサーパン・ダグラフ 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)

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