1995年から続いているTBSラジオの人気番組『JUNK伊集院光深夜の馬鹿力』は、放送事故寸前のさまざまな伝説の残っていることで知られている。
多くの伝説のうちファンの間でも、最も「ヤバイ」といわれているエピソードに「伊集院光原付バイクでTBS社内を爆走事件」がある。
事件は2004年7月26日の生放送中に発生した。
この日の『深夜の馬鹿力』はスペシャルウィークで、直前に控えたアテネオリンピックを盛り上げる名目で番組スタッフが次の企画を打ち立てた。
それは「第1回男子全裸バイク200mハードル」というもので、伊集院が全裸でバイクにまたがり深夜のTBS局内を大爆走するというハチャメチャなトンデモない企画だった。
この計画が実行された背景には当時のTBS局内には深夜に働いているTBSスタッフは伊集院のほぼ番組スタッフだけであり「まあバレなきゃ大丈夫だろう!」という番組ディレクターによるテキトーな自信からTBSの廊下に小型の原付バイクを用意。そして伊集院は一糸まとわぬ姿になるとバイクに乗り込みTBS放送センター9階の廊下を大暴走し始めた。
それだけでも凄い話なのだが、テンションにあがった伊集院はTBSの社内にも侵入して、番組プロデューサーの机を破壊しようとバイクでオフィスを走行開始した。するとその際に伊集院はバイクの運転を誤り、番組ディレクターの机以外にもTBSラジオの「かなり偉い人」の机にも接触してしまった。その結果、偉い人の机に置いてあった大切なCDが数枚が割れたほか、タイヤ跡がTBS局内にそこかしこに残るなどの甚大な被害を出したというのだ。
この企画が放送された2004年当時、伊集院は37歳という年齢であり体力は有り余っていた。さらに前年の2003年には伊集院の番組が『第40回ギャラクシー賞・ラジオ部門DJパーソナリティ賞』を受賞するなど仕事も順調だったため、こんなムチャが「ギリギリ」ではあるが許容されたようだ。
現在はTBSラジオの朝の顔(『伊集院光とらじおと』)となり、放送事故も難なくかわす伊集院だが、30代の頃はこんなムチャもしていたのだ。
なお、この放送から翌週の回では、バイク暴走の際に伊集院がTBS社内で破壊した品の数々について、番組プロヂューサーが「オレの人生設計だって粉々なんだよ・・・」と自虐気味に言及していた。
(文:江戸前ライダー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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