昭和の妖怪ブームで考えだされ、肉付けされていった「畑怨霊」

SF作家であり、子供向けの妖怪図鑑やオカルト関連書籍を多く世に出していた斎藤守弘氏が今年の4月に亡くなった。享年85歳であった。

そんな斎藤守弘氏が世に広めた妖怪は多数存在している。「がしゃどくろ」や「畑怨霊」などがそうだ。

畑怨霊は凶作で餓死した人々の死体が畑に放置された後、怨念から妖怪になるというもの。後に水木しげる氏も著書で紹介しており農家の向こう、闇に沈んだ畑から家よりも大きな鬼の顔がぬっと出てくるという迫力あるイラストで表現している。

飢饉の記録などを考えるとリアリティのある妖怪だが、この畑怨霊にはどの地域に伝わっている伝説なのかなど、詳細が判明していないため、何者かによる近年の創作妖怪ではないかと考えられていた。

そして現在、畑怨霊の初出は斎藤守弘氏が少年キングの記事で妖怪の一つとして紹介したものであると考えられている。

なお、この時は顔がキャベツと思われる野菜になっており、首がろくろっ首のように伸びているという変わった姿の絵が添えられていた。これは絵師のデザインなのか、斎藤守弘氏の指示があってこういうデザインになったのかは不明だが、斎藤氏は絵師に細かく指示を入れていたとされており、氏のオリジナルデザインであることはほぼ間違いない。




また、この妖怪のキャラ設定は、かつて山口敏太郎が斎藤守弘氏に直接インタビューして聞いた所によると、『現代妖怪学入門』(大陸書房)にある畑の幽霊に影響を受けて産みだしたものだったということだ。

この記事を参考にして、水木しげる氏は名前だけを拝借し、現在世に知られる畑怨霊のデザインを完成させたのではないだろうか。

(監修:山口敏太郎/田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像『恐怖!幽霊スリラー (ユアコースシリーズ)』より

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