あの有名な女性霊能者さえも怖がった!TV撮影を中止した「遠野の幽霊屋敷」から続く
あのテレビで有名な女性霊能者が恐れ、撮影スタッフに忠告したという心霊スポット「遠野の幽霊屋敷」。この場所は遠野でも有数の心霊スポットで有名で、実際に多くの人が奇妙な経験をしているという。
この幽霊屋敷を調査した遠野の某宿泊施設のオーナー氏は屋敷に纏わるいくつかの奇妙な話を聞いているという。
かつて、付近で工事を行っていた職人たちが、この屋敷に泊まった事があった。危険な場所だとは聞いていたが、山中の為、他に泊まるれる場所もなく、仕方なく飯場に利用した。
「幽霊なんぞ、いるもんか!酒呑んで、寝ちまえよ」
「そうですね。社長!」
社長は、若い衆にそう言いながら、酒をかっくらった。若い者も全然気にしてない。昼間の疲れもあってか、酒量もどんどん増えていく。
全員が酩酊する中、一人、社長だけ奇妙な足音を聞いていた。
「バタバタバタバタ」
何者かが廊下を走っていく。振り返っても誰もいない。
(おかしいな、誰かいるのか)
疑問に思ったものの、他の連中は気にしていない。だが、社長の耳にはその足音がこびりついて離れない。
(気持ち悪いな、仕方ねえや寝るか)
若い衆に寝るように社長が言い、全員がごろりと横になった。一同が静まり舞えると、足音が鮮明になった。
(やっぱり、聞こえる)
社長は確信した。他の連中も、一人づつ酔いが覚めていく。
(あの足音はなんだ)
(あれはなんだ)
全員がそんな疑念に支配された時、今度は更なる脅迫が襲った。目に見えない何者かによって、一人づつ首を絞められたのだ。
「うわー、なんだ!」
見えない手が ぐーっと首を絞めていく。確かに人の手が首を絞めた。
「うわーっ」
得も知れぬ恐怖感からか、屈強な男たちが全員、屋敷を飛び出してしまったという。
オーナー氏は知人でもある屋敷の所有者に、この怪現象の原因を聞いた事がある。この知人が住んでいた頃から、同所では奇妙な出来事が多かった。
俗に言うポルターガイスト現象が頻発したのだ。困り果てた結果、霊能者に見て貰ったのだが、「かつてこの屋敷の敷地で亡くなった山伏の祟りにより、怪現象が起きておる。ある高僧を呼べば調伏できると思う」と言われた。
「しかし、その高僧でも確実に調伏できるかどうか不明なのに、呼ぶ意味があるのだろうか、それなら、いっそこの不便な山中の屋敷を放棄してはどうだろうか」と家族で結論し、この屋敷を出てしまったのだという。
それから、何年も経った、今も屋敷は山中にある。
――足音の主は、今もそこにいるのだろうか。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©PIXABAY