妖怪

下駄の音を響かせて現れる謎の妖怪「カランコロン」

 「カラン、コロン」という下駄の音を響かせて現れる…と聞くと、一定以上の年齢の人ならばゲゲゲの鬼太郎を思い出すかもしれない。だが、実際に下駄の音と共に出現するとされた妖怪の伝説が存在していた。

 福岡県内某所で一時期噂になった妖怪であり、昭和初期から戦後頃まで、たびたび出現したとされている。

 人が寝静まった夜になると、「カランコロン、カランコロン」と下駄で歩くような音を立てて往来を行き来するものがいた。

 当時は現代に比べて夜はずっと暗く、静かなものであったため、この音はかなり響いたという。あまりに大きな音に怒った住人が、一体誰が歩いているのか正体を突き止めてやると思って、タイミングを見計らって外に飛び出すも、下駄の音の主は姿を見せず、また音もいつの間にか止んでいるのだった。

 だが、この地域に住んでいた人は辛抱強かった。正体暴きに躍起になった彼らは、この後も幾度となく下駄の音が聞こえる度に外へ出て探し回る事を繰り返した結果、妖怪の方が根負けしてしまったのか、いつの間にか現れなくなってしまったという。

(監修・山口敏太郎/田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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