幽霊が地獄から這い出てくる『鬼月』、この1か月間をどうやって過ごすか

 旧暦7月(2017年は8月22日から9月19日)は香港や台湾、シンガポールなどの中華社会において「鬼月」と呼ばれる月(鬼とは中国語で幽霊のこと)で、あの世の門(鬼門)が開いて、天堂(極楽浄土)にいらっしゃるご先祖様たちの他、無縁仏や地獄に堕ちた亡者たちまでも鬼月の1ヶ月間は地獄の責め苦から解放されて現世に帰って来ることができ、夏休みを過ごすことができると言われている。

 ということは、鬼月の間は当然、地上にはたくさんの幽霊たちが徘徊し、彼らと共存する1ヶ月間となる。




 無縁仏など不成仏霊たちを「鬼(幽霊)」などと呼びすてるのは失礼にあたるとされるので、敵意を向けられないように親しみを込めて「好兄弟」と呼び、隙あらば「抓交替(替身。亡者が現世に蘇る為に、入れ替わりとなる人間をみつけること)」をしようとする彼らのターゲットにならぬよう、これらの注意事項を守って生活しなければならない。

・夜に洗濯物を外に干したままにしてはいけない(幽霊がその着物に取り憑くから)
・虫を殺したり、野良の小動物を自宅に連れ帰ってはいけない(死者が虫や小動物に変化している可能性があるから)
・夜に新しい履物をおろしてはいけない(幽霊の履物になってしまうから)
・海やプール、川に入ってはいけない(水鬼に水中に引き込まれて仲間にされてしまうから)
・引越し、結婚、旅行、新築、新車購入などをしてはいけない(幽霊が羨ましがって邪魔をしたり、ついて来るから)
・夜に知らない声で名前を呼ばれたり、肩を叩かれても振り返ってはいけない(相手の正体は幽霊である可能性が高いから)
・壁にもたれたり壁際を歩いてはいけない(壁を這う幽霊にぶつかったり、壁の中の世界に引きずりこまれるから)
・夜に鏡を見たり写真を撮ってはいけない(幽霊が写るから)
・必要以上に病院に行ったり手術をしてはいけない(あの世に呼ばれやすいから)
・最終バスに1人で乗ってはいけない(幽霊が乗っていて自宅までついてくるから)
・破れた衣類を着てはいけない(幽霊に同類だと思われるから)
・映画館で一列目の座席に座ってはいけない(一列目は幽霊たちの座席だから)
・夜に二胡や笙など物悲しい楽器を弾いたり、口笛や風鈴を鳴らしてはいけない(幽霊が聞きにくるから)
・茶碗のご飯に箸を突き立ててはいけない(幽霊の為の食事になるから)
・傘や毛布、鐘を他人にプレゼントしてはいけない(中国語で傘は”散る”、毛布は”喪事”、鐘は”終”と同じ発音で、不吉なので)
・地面に落ちている冥銭(お供え用のあの世のお金)を踏んではいけない(幽霊の物だから)
・すね毛を剃ったり抜いてはいけない(すね毛は幽霊に対する防御効果があるとされるから)

 …などなど、たくさんのタブーがあり、中華圏文化特有のしきたりもあれば、中には「夜に口笛を吹いてはいけない」や「お盆に海や川に入ってはいけない」など、日本でも昔から禁忌として言い伝えられているタブーもあるのが興味深い。

 これらのタブーを守りつつ、旧暦7月15日(今年は9月15日)の中元節の時期には、ご先祖様たちだけでなく餓鬼や無縁仏など好兄弟たちにも、たくさんのお菓子やご飯、お茶や線香などのお供え物をお供えして、盛大に接待をする。

(霊感風水師あーりん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©PIXABAY

 

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