【妖魔夜話】「河童」と「あかなめ」

≪河童≫

 河童はかむろ頭である。だから「かむろ頭」は「おかっぱ」と今も呼んでいる。ビートルズのマッシュルームカットなど「西洋おかっぱ」ではないだろうか。

 「日本酒」に「スナック菓子」と、河童は今も人気のキャラクターである。

 河童とは江戸期の隠語で「陰間(かげま)」の事をそう呼んだ。「陰間」とは今で言うゲイボーイである。「陰間」は成人男子の象徴である「髷(まげ)」を結わなかった。つまり、「おかっぱ」は性の未分化を意味している。

 そう言えば河童は肛門が好きである。「尻子玉」を河童は常食としているのだ。

 あのエッチな漫才師が「エロ河童」と呼ばれた昭和の時代も今は昔だ。




≪あかなめ≫

 「あかなめ」は風呂の垢を舐めにくる妖怪である。関西では「あかねぶり」と呼ばれた。

 「なめる」という動詞が「ねぶる」という関西弁になっている。このように妖怪名が関西弁に変換する事例は他にもある。例えば「砂かけ婆」が滋賀県では「砂ほおり婆」となっていた。本来「かける」より「ほおる」ほうが関西らしい。

 さて「あかなめ」とは一体何を意味するのか。「あかなめ」とは湯女の意味もあるそうだ。当然、江戸期の湯女とは垢を流すのと同時にムラムラとした情欲の始末までもしてくれる。つまり今で言うところのソープ嬢であろうか。

 そして「あかなめが出た時代」は「湯女が禁止された時代」と合致するのだ。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©写真素材足成

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