未確認生物なのか、妖怪なのか、はたまた新種の生物だったのか。
現在でも分類に迷う生物の記録が明治時代に存在した。
1913年、群馬県前橋市の旧岩神村の養蚕業者が飼育していた蚕が一夜のうちに全滅してしまった。動物や鳥が入り込んで食べてしまったようには見られなかったため、原因は全くの不明。そこでその家の主人が祈祷師に頼んでお払いを行ったところ、奇妙な生物の死体が蚕部屋から発見された。
この生物の死骸については詳細な記録が残っている。それによると、全身が絹糸のような柔らかい毛で覆われており、イノシシに似た鼻、先が二つに分かれた尾をしていたという。目は縦に切れていたともされており、既知の生物とはまた違った外見であることも解る。
果たして、この生物の正体は何だったのだろうか。
死んで実体を表した妖怪だったのか、それとも新種の生物であったのか。この生物に関する報告はこれだけしか存在しないため、判断はつきかねる。何とも謎めいた生物である。
(加藤文規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
※画像は蚕のもの