※本コラムはゲーム作品「妖怪ウォッチ1~3」をアカデミックに解析し元ネタの特定ほか妖怪伝承について解説していくコーナーです。
妖怪ウォッチ1から登場し、ゲームではワープ移動などでお世話になるうんがい鏡。
鏡の妖怪らしく、敵の妖術で受けたダメージの半分を受け流す「ミラーボディー」のスキルも習得している。
イマドキ妖怪に属するうんがい鏡だが、じつはちゃんとモデルになった妖怪が存在する由緒正しい妖怪でもある。江戸時代の絵師・鳥山石燕の著作『百器徒然袋』にて紹介されている雲外鏡だ。
それによると、この世には「照魔鏡」という、隠れたり化けている魔物や妖怪の姿をたちどころに照らしだしてしまう魔法の鏡があるという。
雲外鏡も照魔鏡のように妖怪に関わっているうちに自らが妖怪となった鏡なのかもしれない。
妖怪ウォッチの雲外鏡も丸い目玉に長い舌を出しているが、この姿も『百器徒然袋』の雲外鏡に似せて描かれたものかもしれない。
妖怪ウォッチ2ではうんがい鏡より強いうんがい三面鏡も登場した。
うんがい三面鏡の必殺技は「あわせ鏡のむこうがわ」だが、近年の怖いうわさに「三面鏡であわせ鏡の状態にして、4時44分に覗きこむと異世界に行ってしまう」といったものがある(時間や起きることは様々)。
もしかしたら、このうわさもうんがい三面鏡のイタズラから産まれたものかもしれない?
(黒松三太夫 ミステリーニュースステーションATLAS編集部 寄稿・ミステリーニュースステーションATLAS)