妖怪・幽霊

「タクシーに乗り込む女の幽霊」の原型!?明治に起きた「人力車に乗った女」

有名な怪談に、タクシーに乗り込む幽霊の話がある。

夜、一人でたたずんでいる女性をタクシーが拾う。女性は陰気な様子であり、車内でも目的地を言ったきり無言で俯いたまま。やがて目的地に着いて運転手が後部座席の女性の方を振り返るが、女性の姿は忽然と消えており、座っていた部分のシートが濡れていた…。

この話は更に、目的地の家が葬儀中で遺影の顔が女性だったとか、目的地の家を尋ねると既に亡くなっていたことが判明するとか、そもそも目的地が墓地だったなど様々なパターンに変化し、幽霊を載せていたのだと気がついてオチがつく。

だが、この話の原型ともいえる話が明治初期に存在していた。

現在の赤羽駅近くの寺で、人力車が一人の女性を拾う。彼女はそこから離れた三宝寺池(現在の石神井公園)まで行くように指示するので、池まで乗せていくと女性は深夜の森の中へ消えていった。

こんな所に人家があるはずもなく、夜道に女性の独り歩きはおかしいと怪しんだ車夫が女性のあとをつけてみたところ、女性は森の中にある三宝寺池のほとりで大蛇に姿を変え、水の中に沈んでいったのだという。




当時の人々はこの女性が赤羽の亀ヶ池の主であり、住み処である池の水が周囲の開発で涸れてしまったため、新たな住み処に決めた三宝寺池へ引っ越したのだろうと噂したそうだ。

当時実際にあったとされているこの話では、女性は池から池へと当時のタクシーである人力車で移動している。また水が関係してくる話でもあるため、タクシーに乗り込んた女性が水跡を遺して去る怪談の原型になったのではないだろうか。

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(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)