【実話怪談】「福原京の怨霊」

 学校の怪談ですか、私の小学校での噂話でよろしければありますよ。

 私の通っていた小学校は神戸にあって、かつて平家の総大将・平清盛が強引に遷都した福原京の真上に建っています。つまり、短い期間ではありますが、元々は都であった古い歴史のある場所なのです。そんな事実があるせいか、平安時代絡みの噂が結構ありましたね。




 「深夜、運動場に甲冑に矢が刺さった武将が立っていたよ」
 「聞いた話によるとさぁ、この学校を建設した時に、たくさんの人骨が出てきたらしいよ」

 という話がありましたね。

 この噂に纏わる実話があります。私が4年生の運動会の時です。2歳上の6年生たちが、競技の組体操のラストの見せ場で、4段タワーを作り喝采を浴びていました。だが、忽ちその歓声は悲鳴に変わったのです。

 「きゃああああぁぁぁ」

 一番上の人が落下し、大怪我を負いました。怒声と悲鳴が交差する中、現場は騒然となったのですが、奇妙な事がありました。




 噂で囁かれていた甲冑に矢が刺さった武将が立っていた位置と言うのが、運動場の真ん中、まさに4段タワーのその位置なのです。また、噂によると彷徨い出るという武将の霊は、肩に矢が刺さっていたのですが、落下した人も肩を複雑骨折する大怪我だったのです。

 ここまで一致するのは不気味です。その後、4段と言う数字も悪いという話になって、次の年は中止になりました。

―――――ですが、二年後、我々はより危険な5段タワーを成功させました。

※兵庫県・男性・会社員/伝聞(友人の体験談)

(監修:山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)

画像©写真素材足成

関連記事

最近の投稿

ページ上部へ戻る