※本コラムはゲーム作品「妖怪ウォッチ1~3」 をアカデミックに解析し元ネタの特定ほか妖怪伝承について解説していくコーナーです。
『妖怪ウォッチ2』から初登場した「かたづ家来」は掃除好きの妖怪でゲームではジバニャンとともに最初に仲間になる妖怪である。
由来は「お片づけ」と「家来」からと思われる。
武器の代わりにデッキブラシを持っており、戦いよりも掃除が好きとのことである。
公式設定でかたづ家来の役職は「足軽」とされている。足軽とは戦国時代の戦争における一般兵のことで、戦闘はもちろんのこと物資の運搬、土木作業、もちろん掃除も行い戦争になくてはならない辛い立場だ。
かたづ家来は戦闘はともかく掃除テクニックが完璧らしく公式設定でも「エライ人」(誰だ?)からも一目置かれている模様で近々、将軍に出世する予定とか。現にかたづ家来のレベルがあがると「アライ魔将」という将軍に進化することができる。ランクも一気に上がるため、大出世といっていい。
これらのエピソードで思い出すのは、戦国時代の武将・豊臣秀吉である。豊臣秀吉ももとはかたづ家来と同じ足軽であった。
しかし上司である織田信長の愛馬の毛並みを毎日綺麗にするなど細かい努力が認められ、ついには天下の大将軍にまで出世してしまった。
妖怪も人間も細かい気遣いで強くなるのだ。
ちなみに『妖怪ウォッチ3』から登場した亜流の「ちらかし家来」はかたづ家来とは真逆の性格で、掃除はせずにゴミをちらかし放題だという。その結果なのかちらかし家来はレベルアップしても将軍にまで進化しない。
意外と人間社会とリンクしている妖怪、それが「かたづ家来」である。
(文:穂積昭雪 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)