東京の象徴的存在である東京タワー、今ではすっかり「スカイツリー」にその地位を奪われた感じがあるが、最近では「池袋サンシャイン、スカイツリー、東京タワーの三点を結ぶと三角結界になる。この三角形の結界こそが帝都を護っているのだ」という都市伝説が生まれている。
なお、逆に「東京タワーとスカイツリーを結ぶと出来るレイラインが皇居と築地本願寺のレイラインを切断している。これは帝都に対する呪いだ」というネガティブな都市伝説も生んでいる。どうやら風水的効果はその解釈の違いによって生まれるようだ。
また東京タワーには数々の都市伝説がある。
「てっぺんの方に職人が自分の名前を刻んでいる」とか、「名物の蝋人形館には人形に混じって霊がいる」とか。また、東京タワーの近くにはフリーメーソンの東京ロッジがあることから、「テレビ電波を使って洗脳を計画している」という荒唐無稽な(一部の妄信者が主張する)流言もあった。
都内にある他の建造物と合わせた”とんでも都市伝説”もある。
それは東京都庁は有事になると巨大ロボに変身し、特殊バズーカ(東京タワー)を使って敵国を撃破するというものだ。数年前から(洒落として)よく聞く都市伝説パターンに、”ビルが有事に変身する”というストーリー展開がある。
例えば、フジテレビのビルは地震や津波でビルが破壊されたときに球型の部分に役員や芸能人が避難し、そのまま球型だけが切り離されて東京湾に着水という都市伝説がある。また、都庁が巨大ロボに変身し、石原都知事(当時)が操縦するという都市伝説もあった。しかも、都庁職員はSF小説並みの訓練を受けており、全員が戦闘モードに瞬時に変われるらしい。東京タワーは都庁ロボが使う特殊バズーカであり、スカイツリーは都庁ロボが敵国に打ち込むロンギヌスの槍に使われる予定だという。
このようなジョークの交じった東京タワー都市伝説もなかなか面白いものである。ただし逆に不気味な伝説も囁かれている。
かつて、増上寺が所領した土地に東京タワーの足が突き刺さっているのだが、元々この土地には徳川将軍の遺体が埋葬されていた。だが土地の一部に東京タワーの足が突き刺さり、その後、東京プリンスホテルが建設された。元々徳川将軍が永眠していた場所に”徳川の宿敵だった朝廷ゆかりのプリンスホテル”が建設されるなど将軍たちの霊が許すはずはない。その為、東京タワーの足を歴代将軍怨霊が引っ張っており、それゆえ東京タワーは若干傾いているという。
ただし、結論を言ってしまえば、まったく傾いていない建造物などはない。どんな建物も若干は傾いているものだ。
さらに新たに、生まれた新パワースポット『蛇塚』である。これは東京タワー横にある紅葉谷公園の中にあり、噂では清正の井戸を超える人気スポットになりつつある。地蔵の裏側に隠された蛇に生卵とお酒を奉ると、商売繁盛となるとされており、元々近在の料亭が蛇神の願掛けしたのが最初であるらしい。
他にも東京タワーの入口近くにある「南極探検に同行し、同地に見捨てられ犠牲となった樺太犬」の像たちにも新しい伝説が生まれていた。なんと奇跡的に再会したタロ、ジロにちなんでここで記念撮影すると会いたい人に会えるという都市伝説が生まれたのだ。しかし、樺太犬の像は2013年にお台場に移転してしまった。果たして、お台場でも同様の伝説は生まれるのだろうか。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
画像©tomoaki nakano PIXABAY