折からのパワースポットブームに乗ったのか、この東京タワーのそばにある芝公園の蛇塚は近年金運・仕事運に大きな御利益がある場所として注目を浴びている。
この蛇塚があるところには、一見するとごく普通の地蔵菩薩像が祀られているだけに見える。しかし実はその地蔵菩薩像の裏に蛇神の像があるという、凝ったつくりになっているのだ。
この蛇塚が出来たきっかけとして、ある秋田県の実業家女性が蛇神様の夢を見て、こちらに蛇神を祀ったところ、たちまち商売が繁盛したと言われている。それ以来、成功にあやかろうと経営者がこぞって蛇神の大好きな生卵と酒をもってこちらに参拝するようになったという。
そんなこともあり、以前この蛇塚にはお供えの生卵やお酒が積み上げられていたというが、現在ではそばに看板が立てられ「生卵、酒等を置くとオオスズメバチ等がよってきますので置かないでください」と書かれている。どうしてもお供えとして卵と酒を持ち込みたい場合は、参拝後に持ち帰るべきだろう。
近年の日本では金運の神として語られることの多い蛇神だが、世界では豊穣の神や農耕神、あるいは水神として崇められていることが多い。
人々の暮らしを豊かにする蛇神は反面としてその加護が得られなくなってしまった場合、祟り神として強力な害を及ぼす存在となる。参拝の際には失礼のないようにしたいものだ。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
画像©PIXABAY