【妖怪ウォッチ研究序説】セミの妖怪はいない?「セミまる」の元ネタは山田風太郎か?

※本コラムはゲーム作品「妖怪ウォッチ1~3」 をアカデミックに解析し元ネタの特定ほか妖怪伝承について解説していくコーナーです。

プリチー族の「セミまる」はセミの形をした妖怪でゲーム第1作では一番最初に仲間になる妖怪である。

普段はセミの姿をしており、主人公がピンチに陥った時、妖怪「セミまる」に変身。進化後の形態に「カゲまる」「ヒグラシまる」がある。上記の点から実は主人公格に近い妖怪でるが見た目の可愛さからか主役ポジションはすぐにジバニャンに奪取されるという気の毒な妖怪でもある。




さてセミまるのモデルだが、古今東西セミをモチーフにした古典妖怪は特に確認されていないため、これは妖怪がモデルではなく平安時代の歌人「蝉丸(せみまる)」の名前がモデルと思われる。

蝉丸の詠んだ歌は百人一首にも収録されており、現代の日本人にも馴染みが深い。

蝉丸は琵琶の名人であるが、妖怪ウォッチに登場するセミまるは「セミ流忍法」なる忍術と刀の名人という設定だ。

忍者となると思い当たる作品がある。山田風太郎の忍者小説『信玄忍法帖』には「蝉丸右近(せみまるうこん)」という忍者が登場するのである。どこまでモデルかはわからないがセミまるには山田風太郎のエッセンスが含まれている可能性は高い。

また、もう1点元ネタと思わしき作品がある。戦隊シリーズである『鳥人戦隊ジェットマン』(1991年)には「魔獣セミマル」という日本の武士の姿に似た怪人が登場するのである。魔獣セミマルは番組中盤に味方の巨大ロボットをも破壊する強敵として描かれており、当時のちびっ子たちにトラウマを与えた。

『ジェットマン』は1991年の作品のため妖怪ウォッチの若手スタッフのなかにも「魔獣セミマル」に恐怖した人がいたと思われセミの妖怪「セミまる」は誕生したのかもしれない。

(文:穂積昭雪 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

 

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