日本の都市伝説や怪談、噂には地図に存在しない村や、怪談など曰く付きの村が存在する。
杉沢村、犬鳴村、死人村、ジェイソン村など、噂の内容も含めれば様々だ。そんな奇妙な噂の存在する「村」は、海外にも存在している。
それが、アメリカの「ヘルタウン」だ。
ヘルタウンはオハイオ州サミット群ボストンの町に存在しているゴーストタウンだ。スタンフォード・ロードというい名前の一本道を進んでいくと、封鎖された袋小路に突き当たる。この近辺にはかつて廃棄されたスクールバスが存在しており、乗っていた子供達は殺人鬼によって殺されてしまい、その幽霊がバスの中や道に出てくると言われていた。
封鎖された道を進んでいくと、かつて人が生活していた様子が未だに残る町へたどり着く。廃屋だらけの町の中を歩いていくと、一本の灌木が目立つ墓地にたどり着く。この墓地に夜に行くと、幽霊がベンチに座っている様子を見ることが出来るという。また墓地の近くには全体が赤い家が残っており、これは元屠殺業を行っていた家であり、中を覗こうとするとこの家で殺された幽霊がのぞき返してくるとされている。
この町が呪われてしまったのは、住民達が悪魔崇拝を行っていたためだとされている。その証拠に、現在も残されている町の教会は、普通の教会と違って悪魔崇拝のシンボルである逆十字が入り口に大きく掲げられているのである。
…と、アメリカでは非常に有名な「ヘルタウン」だが、実際は1970年代にこの近辺で国立公園の計画が持ち上がり、住民達が別の土地へ移動してしまったために生じたゴーストタウンなのである。結局国立公園の計画も頓挫してしまい、後には奇妙なゴーストタウンだけが残されたというものだ。逆十字が掲げられた教会も、初期のアイルランド・カトリック教会だったため、ゴシック・リバイバル建築からくるものだと見られている。
この村の近隣には普通に人々が生活しており、噂を信じてやってくる人が増えてしまったため、警察や地元の住民が定期的にパトロールを行っているという。
現代の日本でも、変に心霊スポットとして騒がれてしまうと、物見遊山で地元以外の人が訪れるようになり、ゴミで汚されたり治安が悪化してしまうというケースが報告されている。
洋の東西を問わず、一度奇妙な噂がたつと一番迷惑を被るのは、地元に住む普通の人間のようだ。
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A trip to Helltown, Ohio
(飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)