あなたは、こんな人魚の写真を見たことがあるだろうか?
普通、人魚と言えば美しい女性の上半身と魚の下半身を持っているものだ。人魚のミイラなど、美しい女性はとても見えないものもあるが、人間の上半身をしているものと相場が決まっている。しかし、この人魚はそれが逆転−−−上半身が魚、下半身が人間となっているのだ。
この人魚の写真は通称「フロリダの人魚」と呼ばれており、海岸に漂着した謎の生物の姿を捉えたもの、となっている。場所も年代も不明だが、やはりアメリカのフロリダ半島で発見されたものなのだろうか?
しかし、人魚も確かに自然界に存在できるかと言えば難しい所だが、海棲哺乳類などの存在を考えるといてもおかしくないものではある。しかし、これが逆になってしまうと、海中に適応できるかはなはだ疑問になってしまう。果たして、このような生物が発見された事例は本当にあるのだろうか?
だが、この写真には元ネタがある。ベルギーのシュールレアリスムの画家ルネ・マグリットが1934年に発表した油彩作品「共同発明」だ。彼は言葉や単語の抱かせるイメージや先入観を裏切る「デペイズマン」という手法の作品を多く世に出しており、この作品もその一つなのだ。この作品はあまりにインパクトが強かったためか、模倣作も登場した。この逆転人魚の写真もその一つだったのだろう。
また、フロリダの海に住むマナティはかつて人魚と呼ばれていたこともある。これらを組み合わせて生み出されたのが「フロリダの人魚」なのだろう。
(飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)