現在でも度々、宇宙人らしき奇妙な人物に遭遇したとされる証言が報告されることがあるが、こういった謎の人物との遭遇たんは昔から報告されてきた。
1887年、スペインのバンホスという村にて、奇妙な二人組の子供が発見された。二人の子供は男の子と女の子で、全身が緑色をしており、細くアーモンドのような目をしていた。服は今まで見たこともないようなデザインで、材質もスペインに存在しないものであったという。
彼らは洞窟から姿を現したのだが、彼らのしゃべる言葉は意味不明で誰も理解することができなかった。村人たちは子供たちに食べ物を与えたが、彼らの肌と同じ色の豆に興味を示して食べた以外は、口にしようとしなかった。
結局5日後に男の子が衰弱死、女の子も5年後には亡くなってしまったという。だが、5年で女の子はいくらか地上に慣れたようで、肌の緑色が薄くなり多少スペイン語も覚えて会話ができたという。女の子の証言によれば、彼女らは光の全く刺さない所で過ごしていたらしく、ふとしたはずみで迷い込んだ先が地上に通じる洞穴だったということだった。
このスペインでのケースに類似した話が11世紀頃のイギリスでも報告されている。イギリスのウールピットの村にある洞穴から緑色の肌をした二人の子供が現れ、言葉も通じず豆以外のものを欲しがらなかった。一人は早くに衰弱して亡くなったが、もう一人は適応して長生きした(天寿を全うした所が相違点である)。この記述はニューバーグのウィリアム修道師によって「英国事件史」の中に記載されていたものだが、ウィリアム修道士は「自分も半信半疑だったが、目撃者があまりに多かったため記述することにした」と述べている。
果たして、この二つのケースで目撃された「緑色の子供」の訪問は何だったのだろうか。
緑色の肌、アーモンド状の目という点から、宇宙人だったのではないかとする説が出ているが、他にも一種の妖精遭遇たんだったのではないかとする説も出てきている。
妖精に会ったという人の話に共通するものとして、妖精の服などに「緑」という色が出てくることが多い、人間とは食べるものの好みが違うなどの点がある。つまり、何らかの要因で親とはぐれ、村に迷い込んできた子供の話と、昔からあった妖精との遭遇たんが組合わさった結果生まれた話ではないかというのだ。
この二件以外に類似の話が出てきていないため、緑色の子供が何者だったのかについては推測するしかない。彼らがどこから来た人物であろうとも、今でも我々の興味を引く内容であることは間違いないものである。
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(加藤文規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)