北米大陸を代表する未確認生物、ビッグフット。身長は約2~3メートル、がっしりした体で全身に黒や褐色の長い毛が生えている。主に森林地帯に住み、臆病なのか人間からは距離を取るような動きをみせるが、縄張りを侵されるときには攻撃してくることもあるとされている。
そんなビッグフットを捕獲して研究しようとする計画から専用の「罠」が設置されたこともあった。それがビッグフット・トラップ (Bigfoot trap) だ。
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2009年6月ビッグフットトラップ、南オレゴン・アップルゲート湖
この罠は1974年、オレゴン州ユージーンを拠点とする北アメリカ野性動物研究チームが考案し設置したもので、木製で3×3メートルの箱形をしている。さらに帯金で38×286ミリメートルの厚い板が固定され、太い柱で地面に据え付けられる形となっている。
この罠はアップルゲート川の近くで暮らす鉱山労働者ペリー・ラベルが自分の庭で18インチ (46cm) はある人間の足跡に似たわだちを発見した事をきっかけに設置された。この時の足あとは歩幅が2メートル近かったともされており、林野局から特別用途許可を受けてビッグフットの通り道に適していると予測された場所に設置されることとなった。
しかし、中に餌となる肉を置いて仕掛け続けたものの、6年間で熊が2頭捕獲されたのみという結果しか得られなかったため、ビッグフット・トラップはそのまま放棄されることとなった。
その後は朽ちるがままとなっていたのだが、2006年にアメリカ合衆国農務省林野局の「時のパスポート」プロジェクトで保存されることが決定された。現在はシスキユ国有林の中に設置され、観光客を集めるだけでなく、映画の撮影にも使われている名所となっている。
(加藤史規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像&動画 ©Scott Walter/YouTube