以前、アトラスで「渋谷上空を飛行する巨大ＵＦＯ」について紹介させていただいた。
このＵＦＯは投稿者による創作で、動画編集技術の賜物だったことが投稿者本人の告白により判明しているが、実は現在でもＵＦＯ特番などで報告されているＵＦＯ動画の中にはこのようなフェイク動画が少なくない。
1997年8月6日午後4時20分頃、メキシコの首都メキシコシティにて巨大なＵＦＯが目撃された。ビル群の間に現れ、回転しながらビルの後方を通り過ぎ、やがて消えていく様子が収録されている。
このＵＦＯは周囲のものとの比較で直径約10～30メートルほどもある巨大なものであったことが判明している。また、同じ日に自分もＵＦＯを目撃したという人物も複数存在している。
やはり、実際に撮影されたものだったのだろうか？
実は、この動画に関してはフェイクであることが判明している。カメラはハンディカムだったようで、動画でも手ぶれ等が確認できるのだが、周囲の建物とＵＦＯのぶれ幅が違うというのだ。また、手ぶれと同様にＵＦＯも揺れるが、周囲の建物には特有の乱れが発生するのにＵＦＯはずっと鮮明に映り続けている。
これらの結果から、この動画は実際のメキシコの町並みを撮影した動画にＣＧ等で作成したＵＦＯを合成したものだとみられている。糸で吊り下げた模型等を使用する従来の撮影方法の場合、ビルの向こう側に出現するような構図は撮影できない。そのため、この動画がリアリティを持って受け取られたのだろう。この動画の後、より巧みなＣＧ合成を使用した様々なＵＦＯ動画が世界中から発信されるようになった。
現在では簡単なＣＧ動画であれば、素人でも比較的簡単に作成する事ができる時代になっている。ＵＦＯ動画を見て楽しむ側も、どこからどこまでが本物なのか見極めながら見てみる必要があるのかもしれない。
（飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部）
関連動画
Mexico City UFO footage – 1997
