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アニメ「三つ目がとおる」の主題歌がアニメ「プリキュア」と激似?

『三つ目がとおる』が、1974年から78年にかけて週刊少年マガジンに連載されていた手塚治虫の漫画作品。

古代人類「三つ目族」の末裔・写楽保介が、和登千代子とともに様々なオカルト事件を解決していくSF作品であり、同時期の作品「ブラック・ジャック」と並び、スランプに陥っていた手塚の完全復活を印象付けた名作として知られる。

このメインとなる2キャラクターが後世の作品に与えた影響も大きく、「普段は大人しいが何らかのトリガーで正反対の性格となり、ダークヒーローとして活躍する」というスタイルはこの写楽が起源であるとも言われ、特に高橋和希の漫画作品『遊☆戯☆王』に登場する武藤遊戯は「小柄で弱気な少年がダークヒーローと化す」「制服をジャケットのように羽織る」「ダークヒーローモードでは額に第三の目のシンボルがつく」という形で、明らかに写楽のオマージュとなっている。

また、ヒロインの和登は、ボーイッシュかつ「ボクっ子」(一人称が”ボク”の女子キャラ)のキャラの先駆けとも言われ、彼女の登場以後にこうした特徴のヒロインが爆発的に増えたという。

本作は、手塚没後の1990年から91年にかけて手塚プロダクションによりアニメ放送されたが、手塚の生前に一度アニメ化されたことがある。それが、1985年に24時間テレビ内のスペシャルアニメとして放送された「悪魔島のプリンス 三つ目がとおる」だ。

東映が制作した本作は、原作漫画における「イースター島航海編」をベースにしたストーリーとなっており、作中にネオナチが登場するなどアニメオリジナル要素が含まれている。なお、翌年の24時間テレビ・アニメスペシャル『海底超特急マリン・エクスプレス』では、スターシステムによって写楽が”シャラク王子”という名で悪役として登場している。

ところで、本作のアニメ(のちの連続放送版)といえば、ある人気アニメ番組との関係が示唆されている。それは、現在もシリーズが継続している『プリキュア』だ。

どういうことかというと、「三つ目がとおる」といわゆる「初代プリキュア」の各オープニング曲(「?のブーメラン」「DANZEN!ふたりはプリキュア」)のメロディが、非常に酷似しているというのである。実際に聴いてみるとわかるが、歌い出しや一部メロディが驚くほど似ている。

実は、この2つの曲はともに、『クレヨンしんちゃん』の「オラはにんきもの」や『おジャ魔女どれみ』シリーズの主題歌を手掛けた作曲家・小杉保夫の作曲によるものだ。それどころか、作詞も同じで青木久美子が手掛けている。

このため、「作詞と作曲がそれぞれ同じ人なのだから曲調が似ただけだ」と言われているものの、このことは当人たちもわかっていてのことだったのか、それとも「三つ目がとおる」が古い作品だからということで「プリキュア」にセルフ流用したのか、特にアナウンスが無いために真相はわかっていない。

【参考記事・文献】
https://ameblo.jp/doctor-mae/entry-12761065733.html
https://deahiro.hatenablog.com/entry/2024/06/25/190426
https://renote.net/articles/8351/page/9

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【文 イトフゆ】

画像『三つ目がとおる 手塚治虫文庫全集(1)