サブカル

「なぞの転校生」 NHKドラマ版で予定の配役が入れ替えられた理由とは

『なぞの転校生』は、1967年に刊行された眉村卓によるティーンエイジャー対象のSF小説。ある中学にやってきた謎めいた転校生の秘密およびその彼が巻き起こす事件をめぐる学園SF作品であり、1975ではNHK、2014年にはテレビ東京でそれぞれテレビドラマが放送され、1998年には新山千春主演で映画化もされた。

NHK版のドラマでは、以下のような逸話が残っている。

NHK版本作は、「少年ドラマシリーズ」の一作として放送されており、主人公・岩田広一を高野浩幸、なぞの転校生・山沢典夫を星野利晴が演じた。当初は、主人公を星野、転校生を高野が演じる予定だったというのだが、演出の黛叶によってこの配役が交代されることになったという。

この転校生の山沢は、抜群の学力に加え超能力者、そして宇宙人という設定があったのだが、演出から「お前は高野より背が高いし、変な顔をしているから、お前が宇宙人(転校生)をやれ」というようなことを言われたために役を入れ替えられたという。

なお、星野はその後同シリーズで放送された『幕末未来人』(本作も眉村原作)にも出演しているが、その際プロデューサーから、「お前は宇宙人で頭もよくてスポーツ万能だから、今度はまぬけでドジな役をやらないか」と言われ、前作とは逆の、しかも普通の人間役を演じたという。

なお、高野は2014年版のドラマにて、かつて自身の演じた主人公・広一の、なんと今度は父親を演じた。

ちなみに、NHK版は全9話という短編作でありながら、古い作品にはよくある「当時テープが高価だったために使い回し(上書き)をしていた」ことが原因で、そのマスターテープは長きにわたり失われてしまっていた。

しかし、のちに一般家庭で録画されていた全9話が発見、NHKに寄贈されたことによって、VHSやDVDとして商品化することができたという。

【参考記事・文献】
https://www2.nhk.or.jp/archives/articles/?id=C0010352
https://www2.nhk.or.jp/archives/articles/?id=D0009070641_00000
https://ameblo.jp/megomegoco/entry-12680588442.html
https://ameblo.jp/kenichi-ss123/entry-12119319315.html
https://dic.pixiv.net/a/%E3%81%AA%E3%81%9E%E3%81%AE%E8%BB%A2%E6%A0%A1%E7%94%9F

【アトラスニュース関連記事】
窓から覗いただけでやられた魔人は本当にいたのか?「超人バロム・1」都市伝説
人形劇「プリンプリン物語」の多くの放送回が失われたわけ

【文 イトフゆ】

画像『NHK少年ドラマシリーズ なぞの転校生 (新価格) [DVD]