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アニメ「ポールのミラクル大作戦」の主人公たちが有名ゲームに登場!?

『ポールのミラクル大作戦』は、1976年10月から77年9月まで放送されていた、タツノコプロ製作のテレビアニメ作品。主人公である少年ポールの、現実世界と不思議な世界を股にかけた冒険を描くファンタジー作品であり、放送時は25%超という高視聴率を記録するほどに高い人気を誇った。

本作では、主人公のポールが両親からプレゼントされたぬいぐるみに、妖精が宿ることから、毎回不思議な世界へと旅することで物語が始まる。

はじめは、長い眠りから蘇った魔王・サタンベルトにガールフレンドのニーナが連れ去られたことによる救出編であったが、第17話で無事救出したのち打倒魔王編へと移っていく。

だが、この転換ははじめから予定されていたものではなく、本来はニーナの救出が物語全体のゴールに設定されていたという。

そもそも、オープニング曲にある「僕のニーナを救い出すまで二人で仲良く帰る日まで」という歌詞は、明らかにニーナ救出のみを示唆したものとなっている。このオープニング曲は、歌詞を含めて打倒魔王編になっても変えられることはなかった。

とはいえ、当時としてはその独特なキャラクターやファンタジー性に強く心惹かれた視聴者も多く、ファンが非常に多いことは間違いない。実は、ある意外な作品でこのアニメがモチーフとして用いられたケースがある。

それは、1995年に発売されたRPGゲーム『ロマンシング サ・ガ3』(通称ロマサガ3)。スクウェア・エニックス(初期はスクウェア)が発売するサガシリーズのうちの一作であるが、本作には主人公の仲間になる人物の中に、ポールという名前の人物がいる。しかも、そのポールには恋人である女性がおり、その女性の名前がニーナとなっている。

そう、ミラクル大作戦のポールとニーナの名前と同じなのである。この両者は、公式のイラストでも常に二人一緒に描かれるという珍しい扱いがなされているのだが、もちろんアニメの彼らが成長した姿ということではない。

このことは、ロマサガの生みの親と称されサガシリーズ第一作から一貫して携わっているゲームクリエイター・河津秋敏が、「ネーミングの元」は本作であり「当然、恋人はニーナになる」とSNSで明言していることからも確認できる。

実は、後年に発売された『サガフロンティア2』(1999)にも、ポールとニーナという名の老夫婦が登場しており、こちらももちろんミラクル大作戦が元となってネーミングされている。

因みに、「ロマサガ3」のポールは”もともと冒険者を夢見ていた”という設定があり、これはミラクル大作戦のポールの”空想好き”という性格をモチーフとしたものだろう。

ファンタジーの世界観を描く中で、ミラクル大作戦がいかに強い影響を与えていたかが伺える話ではないだろうか。

【参考記事・文献】
https://x.gd/R062S
https://x.com/SaGa30kawazu/status/474130831422668802
https://anitokuhitorigoto.net/pauls_miraculous_adventure/
http://animenikansya.blog.fc2.com/blog-entry-1111.html

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【文 ZENMAI】

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