阿部サダヲは、日本で活躍する俳優。1992年に舞台『冬の皮』でデビュー、同年のテレビドラマ『演歌なアイツは夜ごと不条理な夢を見る』にて温水洋一の代役として起用されたことでテレビドラマデビューを果たした。民放では、2011年の『マルモのおきて』で初主演を飾り、ひょうきんな役柄を演じることが多い。
彼のこの芸名は、読み上げてもおわかりの通り「阿部定」(あべさだ)からきている。1936年に、愛人男性を絞殺してその局部を切り取ったとして、現在でも衝撃的な事件として語られるあの「阿部定事件」の犯人だ。
彼自身、本名が「阿部」であったため、この事件から「阿部定を」という芸名の候補があがり、結果として「定を」の部分をカタカナで表記した「サダヲ」に落ち着いたという。
だが、やはり当初この芸名での登場は多くの人々をギョッとさせたようであり、ドラマ『不適切にもほどがある!』(2024)で主演をつとめた際には、彼の芸名が「一番の不適切」ではないかとツッコみの声もあがったという。
このような、犯罪者の名前を芸名にする例としては、アメリカのミュージシャンであるマリリン・マンソンが自身の芸名を女優のマリリン・モンローと殺人犯のチャールズ・マンソンの名前をもとにつけたといったものもある。
とはいえ、彼自身が好んでこの芸名にしたかというと、どうやらそういうわけではないらしい。実は、もう一つの候補があんまりだったために「阿部定を」を選ばざるを得なかったのではないかと言われている。
その名前は、なんと「死体写真」。
考案者は俳優・劇作家などで活躍する松尾スズキで、ある時阿部の顔色が悪いという理由で、「お前の名前、”死体写真”な」と告げられたという。この名前、阿部サダヲ以前の旧芸名とも言われており、「死体写真」という言葉が放送禁止用語にあたるため「阿部サダヲ」のほうを選ぶほかなかったということのようだ。
2015年5月7日に放送された『とんねるずのみなさんのおかげでした』にて出演した際、当時劇団「大人計画」の主催者であった松尾から、そのような名前を付けられたということが語られていたものの、肝腎の「死体写真」という部分はピー音で隠されたという。

【参考記事・文献】
・https://www.j-cast.com/2018/10/05340524.html?p=all
・https://kyun2-girls.com/archives/3977
・https://www.dailyshincho.jp/article/2024/02161150/?all=1&page=2#goog_rewarded
・https://entertainment-topics.jp/19442#headline_572089
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【文 イトフゆ】