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「ゆうひが丘の総理大臣」人気を引き継いだが不評に終わった後続ドラマ

『ゆうひが丘の総理大臣』は、1977年から80年まで『週刊少年チャンピオン』にて連載されていた漫画家・望月あきらの漫画、1978年に中村雅俊主演でテレビドラマ化された作品である。

夕日丘学園中学(ドラマでは高校)を舞台に、赴任してきたアメリカ帰りの破天荒な教師・大岩雄二郎とその教え子たちが繰り広げる学園生活を描いた物語。

中村演じる大岩は、作中で生徒たちから「ソーリ」というあだ名で呼ばれている。このあだ名の由来は漫画とドラマで経緯が異なっており、漫画では最初の授業の最中に大岩が発した「ボクちゃんの名前はソーリ大臣」というセリフ、ドラマでは初日の開口一番に大岩が放った「俺はこの教室では総理大臣より上だ」というセリフが由来となっている。

ドラマ版は、学園青春ものとしても非常に人気が高く幾度も再放送がされた。こうした人気もあって、本作終了後には姉妹編とされる『あさひが丘の大統領』というドラマが制作・放送された。


「あさひが丘」は、「ゆうひが丘」が好評であったことから制作された作品であり、漫画原作は無く、「ゆうひが丘」の漫画原作者は関わっていない。

内容は、旭丘学園高校にやってきた同校卒業生でもある英語教師・ハンソクこと大西元が、副部長となったラグビー部で部長と対立しながら生徒たちと様々な想像を起こすという内容。

前作「ゆうひが丘」の演者が多く引き継がれたものの、主演は中村ではなく宮内淳になっている。そもそも、中村は1974年の初主演作『われら青春!』や1978年の『青春ド真中!』でも教師役をつとめており、「教師役と言えば中村雅俊」というイメージもあったほどだ。

しかし、「ゆうひが丘」の終了によって中村が「もう先生役はやらない」と宣言したことで、急遽宮内が抜擢されることになった。この時宮内は、『太陽にほえろ!』でボン刑事を演じ、出番が終了(殉職)したころだった。

しかし、評価については圧倒的に前作であった「ゆうひが丘」の方が高く、「あさひが丘」は安易なパロディ感という印象を抱いた視聴者もいたようだ。

内容についても、コンセプトは確かに似通ってはいるものの、「かまってかまって」生徒を立ち直らせる前者に比べ、「つきはなしてつきはなして」というシチュエーションになぜ生徒が立ち直るのだろうかと違和感を覚えるという感想も見られたという。

これまで日本テレビでは、『青春とはなんだ』『飛び出せ!青春』『俺たちの祭り』といった青春ドラマが多数放送されてきたが、評価が芳しくなかったためか、時代というタイミングがたまたま良くなかったせいか、「あさひが丘」によって日テレの青春ドラマは終焉を迎えた。

【参考記事・文献】
http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-17559
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1296271042
http://natsukashiidorama.d.dooo.jp/d.htm

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【文 黒蠍けいすけ】

画像『あさひが丘の大統領DVD-BOX(9枚組)