若山富三郎は、昭和を代表する俳優の一人。俳優・勝新太郎の実兄であり、また時代劇においては日本一の殺陣の名手と称され、殺陣の腕前については勝も適わなかったと言われている。
圧倒的な演技力とカリスマ性を備えていた若山は、「日本映画界の怪物」「本物の侠(おとこ)」などの異名が付けられるほどに、共演者やスタッフから恐れられていたという。
そんな人物であるから、とでも言うか、逸話やエピソードにも事欠かない。
彼は気前が良いことでもよく知られていた。後輩スタッフを問わず彼を慕う取り巻きの人々は「若山組」と呼ばれ、飲みに連れて行っては映画のギャラで大盤振る舞いをし、一晩でギャラが無くなってしまったこともあったという。
また、自分が主役の映画では、他の役者やスタッフの分の弁当を用意したり、金の相談をされるとすんなりと金を渡したりしたという。
なお、この若山組は、任侠の世界のように「固めの杯」という儀礼が行なわれていたそうだが、若山本人は酒が苦手で甘党だったため、「食パンの上に溶かした羊羹を塗って食べる」という行為だったそうだ。
そんな気前の良さを持つ一方、他人の非礼や付き人などのミスには、どんなに些細なことでも容赦することはなかった。
ある時代劇の撮影で着付けがなってない役者に腹を立てた際には、その役者を3メートルも投げ飛ばしたというエピソードがある。
その”厳しさ”はある場面にも影響を与えた。実は、若山はファミコンの『スーパーマリオブラザーズ』に熱中していたことがあり、これが唯一ハマったゲームであったと言われている。
息子である俳優の若山騎一郎によると、やってみろとコントローラーを渡されたもののド素人であったため、「そこはBダッシュだろうが!」「どうして俺が教えてるのにできないんだ!」などと怒鳴っていたという。
そうしたこともあり、マリオが上手くなるように練習をして、いざその成果を披露すると今度は、「芝居の勉強もしないで何やってやがる!」と罵声が飛んだそうだ。
機嫌が悪いときは誰かれ構わず殴っていたと言われているが、後年に新東宝時代からの友人であった丹波哲郎の映画『丹波哲郎の大霊界』のオファーを受けた際、その頃すでに心臓病を患い体調が芳しくなかった若山に対し、丹波は「お前はすぐに人を殴る。そのツバチが当たったんだ」と戒めたという。
付き人というのも、10人ほどを連れていたと言われている。箸持ち、灰皿持ち、台本持ちなど中には椅子持ちと称して本皮のソファーを持ち歩く付き人もいたという。また、若山がタバコを吸おうとすると、数人の付き人が一斉にライターに火をつけていたが、それぞれが皆種類の違うものを持っていたという。
果ては、ヤクザから借金をしていたという。
山城新伍の著作『おこりんぼさびしんぼ』には、彼をかわいがっていたという当時の山口組三代目組長・田岡一雄から「新伍や。若山はいいやつなのか?悪いやつなのか?」と聞かれ、山城は迷わずに「いい人です」と返すと、「いい人がオレから金もらって返さねえのか」と笑って答えたというエピソードが記されている。
またある時には、娘が不良に絡まれた際に勝が飛び込んで助けたことがあったというのだが、勝から「(佳代子が)このままじゃいけないよ」と伝えると、「じゃあヤクザのところで修行させるか」と言ったという。ヤクザとの関りがあるということを、彼は少しも隠さなかったようだ。
弟である勝も相当の豪快ぶりで有名ではあったが、例えば京都のある町にあった靴屋にて、いい靴が見つかると「もろてくで」と言って勝手に持って帰ってしまったことがあり、そのツケを勝が代わりに払っていたというエピソードもある。
若山と比較する限りにおいては、勝の方が多少なりとも”常識的”だったのではないかとさえ言われている。
【参考記事・文献】
・https://gendai.media/articles/-/137351?page=1
・https://www.news-postseven.com/archives/20190704_1403099.html?DETAIL
・https://koimousagi.com/38334.html
・https://newsnachricht.net/nostalgy/wakayamatomisaburo#i-3
・https://www.news-postseven.com/archives/20190411_1348311.html?DETAIL
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