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ホタテマンでも親しまれた個性派俳優「安岡力也」の喧嘩伝説

画像『ホタテのロックン・ロール

俳優、ロック歌手、キックボクサー、そしてタレントなど、幅広い活躍を展開した安岡力也。シチリアンマフィアの祖父を持ち、イタリア人の父と日本人の母を持つその血筋から、身長187cmに体重108kgという体格に恵まれ、高校在学中であった1964年に映画『自動車泥棒』に主演してから芸能界へデビュー。

こわもての悪役、伝説の個性派俳優としても知られた一方で、その外見の厳つさに似合わずお笑いにも理解があったことでバラエティ番組への出演も多かった。特に、『オレたちひょうきん族』では「ホタテマン」を演じたことで大いに人々を笑わせ、広い世代から人気を得た人物でもあった。

逸話が多く、ヤギと性交渉したり、傷害事件を起こして服役していた時に暇だったので男性器に真珠を入れたりなど、仰天のエピソードに事欠かない。中でも喧嘩にまつわるエピソードは数知れず、山城新伍によれば、「喧嘩となると決まって喜んで飛び出していくのが渡瀬(恒彦)と力也だ」と言われるほどであったという。

若い頃には、愚連隊およそ70人を彼一人で相手に乱闘し、なんと勝利したと言う。この時、本当はタイマン勝負であったはずが現場に70人も訪れたことに腹を立て、強そうな相手を5~6人倒したところで他がみな怯えてしまったそうだ。

彼が兄貴と慕う内田裕也と一緒に飲んでいた時、いわゆる”本職”の人達が2人に対してちょっかいを出してきたことがきっかけとなり言い争いとなった。ついには乱闘に発展したのだが、わずか数十秒のうちにその彼らを倒してしまったという。しかも、この時相手の一人から腹部を刺されたのだが、彼は左手でナイフをつかみ、右手で殴り倒したという。この時左手を負傷したことで、後遺症が残ってしまったそうだ。

複数人を相手にひるむことのない安岡力也だが、実はボコボコにされたという話が多い。




ミュージシャン・プロボクサーでもあったジョー山中には、安岡力也をタイマンで半殺しにしたというエピソードがあるという。また、前述した俳優渡瀬恒彦も東映の駐車場で彼と喧嘩、一瞬で勝利したという話がある。渡瀬は、当時芸能界最強と称されているほどに喧嘩が強かったと言われていた人物であった。

また、黒い呪術師の異名を持つプロレスラーアブドーラ・ザ・ブッチャーと乱闘になり、結局負傷し負けてしまったというエピソードもある。これについてはパターンがいくつかあり、赤坂のディスコで乱闘となった末にボコボコにされたというものや、都内のバーで一人飲んでいるブッチャーを挑発し、無視したことで額を殴り流血させたもののブッチャーが血を流してニヤリと笑い、ビビってしまったという。

後者については、さらに殴った時の道具がボトルかレンガかで異なっている場合もあるが、いずれものちにブッチャーと和解をしたという点では共通している。この他、入れ込んでいたホステスに「お前の男と勝負させろ」と言ったところ「前田日明よ」と言われ、ビビってしまったという逸話もある。

いかにも喧嘩っ早い人物に思えるが、俳優清水健太郎が覚醒剤所持により逮捕され、出所した際に拳で清水の肋骨を折るなど私的制裁を加えたが、清水が食べていけるようにとVシネマなど各所へ頭を下げに回り出演できるよう頼んでいたという。

また、『ウルトラセブン』の友里アンヌ隊員役などで知られたひし美ゆり子が、かつて「生意気であったということから安岡力也に襲われた」という噂が出回るも、彼の死後に当人はこの噂を完全に否定し、「優しく純粋な人だった」と語っている。なお、この話の出所は山城新伍であったとも言われている。

一方では恐れられながらも、それと同時に慕われていたことが垣間見えるエピソードと言えるだろう。

【参考記事・文献】
伊集院光、安岡力也がアブドーラ・ザ・ブッチャーとバーで喧嘩になって「頭をレンガで殴った」とのエピソードにツッコミ「なんでそこにレンガが…」
https://radsum.com/archives/19411
安岡力也の若い頃のヤンチャ伝説!内田裕也とも親交が!なぜホタテマンに?
https://www.newsnachricht.net/reminiscing/yasuokarikiya#i-2
安岡力也 伝説と武勇伝~祖父がマフィア、元キックボクサーで喧嘩好き
http://sanjayafans.com/archives/1308
安岡力也、男気あふれる伝説の男に迫る!
https://ciatr.jp/topics/236981
ひし美ゆり子が安岡力也に襲われていた?危険過ぎる黒い噂の真実
https://www.entertainment-topics.jp/43353#google_vignette

(ZENMAI 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)