『怪物くん』は、藤子不二雄Ⓐによる日本のギャグ漫画。1965年から1969年までに『少年画報』や『週刊少年キング』で連載され、1968年にはモノクロテレビアニメ、1980年にはカラーテレビアニメ、2010年にはテレビドラマ化され、その翌年には実写映画も公開された。
怪物ランドから人間界へやって来た怪物くん(怪物太郎)が、お供であるドラキュラ、オオカミ男、フランケンらとドタバタの騒動を巻き起こすというストーリーであり、またギャグ漫画とは言うものの、時には冷徹な敵と戦闘を繰り広げるなど、アクションシーンも豊富な作品となっている。
2000年代の漫画・アニメ作品にて本作のパロディやオマージュがいくつか見られている。
2007年に放送されたアニメ『らき☆すた』のOPでは、「怪物くん」のアニメ第2作のOPでのお供3人の掛け声(ドラキュラ「さぁ、はじまるザマスよ」、オオカミ男「いくでガンス」、フランケン「ふんがー」)が使用された。また、同年に公開されたアニメ『怪物王女』は、そのタイトルもさることながら主人公の怪物の王族である王女をはじめ人造人間、吸血鬼、人狼族そして巻き込まれる一般人の少年といったメインキャラクターの配置が、そのまま「怪物くん」のオマージュとなっている。
「怪物王女」では、フランケンに相当するキャラクターとして、メイド服を着た少女姿の怪力人造人間フランドルが登場し、唯一の発声である「ふが」もフランケンの「ふんがー」に由来してることは容易に想像がつく。余談だが、フランケンの「ふんがー」はドイツ語の「空腹」を意味する言葉(「Hunger」)からきているという。
さて、怪物くんは2誌で連載されて同年に連載を終えており、2種類の最終回が描かれている。しかし、どちらの最終回も怪物ランドに帰るということでは今日しているものの、実は最大の友人であるヒロシとの別れの場面を明確に描いていない。
まだ連載中だったころに放送された第1作のモノクロアニメ版の最終回では、新たな大王となった怪物くんの戴冠式が行われ、そこにヒロシも招待され一同で怪物くんを胴上げする形で締め括られているが、このモノクロ版ですら怪物くんは怪物ランドに帰ることをヒロシに告げてはいなかった。
ヒロシとの別れのシーンを明確に描いたのは第2作のアニメ最終回で、これは2誌の印象的な場面を選り抜いた上で再構成されたストーリーとなっている。
80年代は、「忍者ハットリくん」「パーマン」そして「オバケのQ太郎」といった藤子作品がシンエイのアニメとして放送されていたが、実は明確な最終回を描いたのは「怪物くん」だけだとも言われている。このきれいな最終回を描き切ったという点でも、アニメ「怪物くん」は高く評価されている。
因みに、ドラマ版「怪物くん」では、怪物くんの敵対キャラである悪魔ランドの王子・デモキンをTOKIOの松岡昌宏が演じたのだが、こんなエピソードがあったという。
ドラマでは、原作と異なりシリアスなキャラとして描かれていたデモキン。子どもが多く視聴していたというドラマ版だが、ある時松岡が犬を連れて散歩をしていると、幼稚園児にいきなり腿を殴られ「怪物くんをいじめるな!」と涙ぐみながら訴えられたのだという。
松岡は戸惑いながらも「夢を壊しちゃいけない」と判断、結果、犬のフンを片手に持って犬を抱え上げ「ハッハッハ!バカ者め!」とあくまでデモキンになりきったまま去っていったという。
これについては、松岡と交友が深く、同作でオオカミ男役をつとめたダチョウ倶楽部の上島竜兵も同情を隠せなかったとのこと。
【参考記事・文献】
・https://dic.nicovideo.jp/a/%E6%80%AA%E7%89%A9%E3%81%8F%E3%82%93
・https://blog.goo.ne.jp/hballoon/e/6ac00b3652911cfc45d1d2b67dbd3087
・https://asajo.jp/excerpt/96711
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【文 ナオキ・コムロ】
画像『怪物くん(1) (藤子不二雄(A)デジタルセレクション)』
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