怪談や霊体験を聞くと、人はなぜ怖いと思うのか。そんな「怖い」と思う感情が起きるメカニズムについて科学者らが研究した。
ニューサウスウェールズ大学を中心とした研究では、電気を消して被験者の目の前に「途中から怖くなる話」を投影する。この時、被験者の皮膚の電気伝導度(つまり、汗の量)の変化をモニターすることで、人々の恐怖反応を測定する実験を行った。
興味深いのは、被験者の半数を頭の中で物事を思い浮かべることができない「失認症」の人にお願いしてみたという点だ。
実験を行ったジョエル・ピアソン教授によると、
「物語を視覚化できた人の皮膚の電気伝導度はすぐに上昇し始め、物語が進むほど、皮膚の反応も大きくなっていきました。しかし、失認症の人の皮膚の伝導度はほとんど横ばいでした」

と、実験結果について語った。
この結果は人のイメージ(頭の中で概念を思い浮かべる能力)が、これまで考えられていたよりもはるかに恐怖反応に重要な役割を果たしていることを示唆しているそうだ。
この結果を受け、ピアソン教授は
「精神的なイメージが、思考と感情を結びつける上で重要な役割を果たしていることを示す、これまでで最も強力な証拠を発見しました」
と述べている。
(山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
Friedrich TeichmannによるPixabayからの画像