【化け狐の絵】
人間に化ける狐を絵にしたもの。狐は、僧形に化けるものが多いとされていた。
【僧に化ける狐】
僧に化ける狐と言えば、白蔵主が有名だ。和泉国の少林寺(大阪府堺市にある寺院)に伝わるものでは、父親である僧侶の「白蔵主」に化けた狐を猟師である甥が捕えようと、鼠の天ぷらで罠を張るも逃げられてしまった、という話がある。
絵がそもそも白蔵主を描いたものかは不明であるが、上記の伝承にあるような、罠にかけようとする場面を描いたもののようにも見えなくはない。少なくとも判明していることは、この絵の大元が、江戸前期から中期に活躍した浮世絵師の西川祐信(にしかわすけのぶ)によって1744年に描かれたものということだ。
(写真:山口敏太郎事務所)