石川ひとみは、1980年代に活躍したアイドル歌手。高校時代、オーディション番組『君こそスターだ!』に出演しチャンピオンとなったことで芸能界入りを果たす。そして三木聖子の『まちぶせ』のカバーが1981年に大ヒットしたことで一躍人気歌手となった。
1987年、B型肝炎を発症したことで芸能活動を中断、退院後に所属していた事務所から契約破棄されたことや、当時B型肝炎への理解が社会的に乏しく偏見も強かったために苦汁の日々を送るも、1988年に活動を再開、現在も歌手活動をはじめとしてエイズや肝炎に関する講演活動も積極的に行なっている。
彼女は、はじめから歌手として大々的に喝采を浴びていたわけではなく、デビューしてから数年はヒット作に恵まれない状況であった。そんな中で最後の一発として世に送り出されたのが「まちぶせ」であったが、当初彼女はこの曲の発表後に芸能界引退することを検討していたという。
しかし、結果は全国各地を巡って歌唱するようなロングヒットとなり、芸能界引退どころか次作曲の発表タイミングを逃してしまうという嬉しい悲鳴ともいえるほどの状況になった。
だが、この「まちぶせ」のヒットよりも前から彼女はじわじわと人気を高めていたことも確かだ。そんな彼女の知名度を大きく広めたのが、NHKの人形劇『プリンプリン物語』である。本作にて彼女は主役に抜擢され、主題歌の歌唱も担当。声だけの出演ではあったものの、その好評ぶりから石川ひとみの名はこの作品で徐々に広まるようになっていった。
じわじわと高めた知名度と大ヒット曲の誕生により、『クイズ・ドレミファドン!』『レッツゴーヤング』といった音楽番組・バラエティ番組にて司会、さらには「脱清純派」を模索する中でのグラビア・ヌード写真集の出版など、多岐に渡る活躍で幅広い人気を獲得することとなった。
さて、そんな彼女に関連するものが、近年日本国外のある場所で発見されて話題となった。
それは、ベトナムの首都ハノイに存在するとあるパブである。
Machibuse Pub / まちぶせパブ#machibusepub#石川ひとみ#昭和アイドル#japan80s#ハノイバー pic.twitter.com/ZCOhTzMIXP
— MACHIBUSE (@machibusevn) September 23, 2022
通称『石川ひとみBAR』とも呼ばれるそのパブの名は「まちぶせパブ」、石川のヒット曲をもじった店名となっている。どうやら、このパブのオーナーであるズォン・ヴー・ミンという人物が、大の石川ひとみファンということで名付けたものであるらしい。
彼は、6歳の頃に天地真理の『想い出のセレナーデ』を聞いて以来、日本カルチャーに強い関心を持ったのだという。店内は、70~80年代の日本音楽ばかりがかかっており、それが現代のベトナムの若者を中心に人気を博しているとのこと。2023年には、NHKの番組『あさイチ』内でもこのパブが紹介されたことで、このパブの存在も広く知られるようになったようだ。
石川ひとみは、いつの間にやら70~80年代の日本カルチャーを通じて、日本とベトナムの懸け橋になっていたと言ってもいいのかもしれない。
【参考記事・文献】
・https://www.daily.co.jp/gossip/subculture/2022/10/14/0015722402.shtml
・https://omatomen.net/archives/1-6602.html
・https://newsee-media.com/ishikawa-hitomi
・https://blog.goo.ne.jp/bongengan/e/c0f5c1e5d09c40f973a6e8a0b51988dd
【アトラスニュース関連記事】
芸能人、有名人の不思議体験・ホントにあったチョット怖い話 VOL.4
【文 ZENMAI】