私が若い頃に、MCの仕事をやってた事は以前、お話しましたが、当時は近所に、グランドキャバレー「O」というお店があり、そこのMCとしても仕事を貰っていました。
グランドキャバレーでは、2ヶ月に一度「グランド歌謡ショー」というのが行われ、それはつまり、A級歌手サンの地方巡業のステージの事です。
天童よしみさん、美川憲一さん、カルーセル麻木さん、園まりさんなど、そして、山本リンダさんも来てくれました。
そのリンダさんの本番前の出来事です。
私が待機してると、マネージャーらしき男性が「リンダさんが呼んでるから、行ってあげて」と言いにきました。
私が楽屋のドアを開けると、奥の更衣室からリンダさんが大声で、「司会者さん、上がってきて こっちへ来て」と呼ぶのです。
私は「ハイ、失礼いたしますデス」と、緊張して更衣室へ入ると、リンダさんが「衣装のファスナーが上がらないの、上げて」と、焦っていました。
やってみると、確かにファスナーは上がりません。
「イヤだ~、太っちゃったのかしら、どうしよう~」と、本番20分前に、パニック寸前のリンダさんです。
私は「マネージャーさんを呼んで、男の人の力で上げて貰ったら」と提案すると、リンダさんは、「男性にファスナーを上げて貰うのは、イヤ」と言うのです。
『あ、だから私を呼んだのか、意外と純情なんやなあ』と、感心しました。
とにかく、私一人で、右から左から、お肉を、寄せて、上げて、大奮闘して、やっとファスナーは、きっちり上がりました。
お衣装は、見事な、滑らかなシルク製で、その辺のレンタルウェディングドレスしか知らない私は、ハハァ~っと、見とれてしまいました。そして『リンダさんって、本当は、真面目な人なんだ』と好感を持ちました。
とにかく無事、本番のツーステージでは、リンダさんはテレビ番組そのままに、リンダワールドを炸裂させてくれました。
そして舞台のすそから、そのステージを見守った私は、あの時から、リンダさんのファンになりました。
最後まで、お読み頂き、有難うございました。
(ミステリーニュースステーションATLAS編集部 とよちゃん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 ウィキペディアより引用