「横山やすし」の死を予言していた…「松本人志」！？

ダウンタウン松本人志の予言というものが囁かれたことがある。

2011年10月8日、人気アイドルグループNEWSのメンバー2人が脱退を発表、当初9人であった構成が紆余曲折を経た末に4人となってしまったのだが、この数年前に放送された『HEY!HEY!HEY!』(1994-2012)にて、デビュー前のNEWSを前に松本が「4人ぐらいになってるかも分からないね」と言っていたことで、この発言が的中したと話題に。

このほか、『ガキの使いやあらへんで!』内の視聴者から寄せられたハガキに答えるフリートークにて、「来年はどうなりますか」という問いに対し、「地球にモノ凄い物がドーン！とぶつかって来ます」と言ったところ、その後に隕石落下のニュースが本当に報道されたということもあった。

これらの彼の発言は、基本的に「ボケ」として答えられたものであることは間違いない。だが、それが現実に起きてしまったとなっては、大きく注目を集めるのも致し方ない。

そして、こうした彼の予言と思われる事柄で忘れてはならないのは、往年の天才漫才師・横山やすしの死についてだ。

レギュラー番組『ごっつええ感じ』は、多種多様なコントが展開される番組構成をしていた。その中で、松本によるとあるコントが問題の火種となっていた。

そのコントのタイトルは「やすしくん」。考えるまでもなく、横山やすしをネタにしたコント。

このコントは、三角眉毛にオールバック、黒縁眼鏡をかけた松本扮する”やすしくん”が、「正味な話」「怒るでしかし」といった口癖と共に騒動を巻き起こすという内容だ。いわば、トラブルメーカーであった横山を茶化した内容であったと言っても良いだろう。高い人気を誇ると同時に、当初から批判の声も強かった幻のコントである。

問題の回が放送されたのは1995年12月24日のこと。第7回目となるその回は、「月光」と記されたセスナ機に乗って「ジングルベル」の替え歌を歌いながら飛行するやすしくん、しかし直後にセスナの左翼が折れ、尾翼も爆発、ついにはプロペラも外れてしまい、最後には「日本一の漫才師、死ぬ！」と叫んでやすしくんが飛び降りて終了という内容だった(「月光」とは、横山が所有していた実際のセスナ機「月光号」のことであり、娘・光の名前に因んで付けられたことで知られている)。

ところが、この約一ヶ月後となる1996年1月28日、ちょうど第8回目の「やすしくん」が放送されたこの日、横山は急死してしまったのである(死因はアルコール性肝硬変だったという)。彼の死後、遺族らをはじめとして松本の当該コントへの批判が猛烈に吹き荒れることとなり、「やすしくん」は打ち切られ、のちにDVDなどのへもほぼ収録されないコントとなった。

大御所をおちょくったコント「やすしくん」は、ファンによっては、これが彼なりの愛なのだと好意的にとる意見もあるが、明確な「恨み」だったと見る指摘もある。

それは、ダウンタウンがデビューして間もない頃、「ライト兄弟」というコンビ名で横山が司会を務める番組で漫才を披露した際、「単なるチンピラの立ち話や」とボロクソに酷評されたことがある。

松本はこの時のことを自著などで、「(横山を)あの時ボコボコに殴れば良かった」などと記しており、非常に根深い恨みを抱いていたのではないかといわれている。

また、「やすしくん」が放送されていた頃の横山は、数々のトラブルから既に吉本興業を解雇されていた時期であった。コント内では「水道・電気がとめられた」といった、横山が経済的に苦しい様を茶化したセリフもあり、それらは横山が一線を退いて口出しができないことを見越して行なっていたとも考えられる。

しかし、実はこの松本の顛末については、逆に横山も生前既に予見めいた発言をしていたとも言われている。

それは、前述したライト兄弟への酷評での場面、横山は「笑いには良質の笑いと悪質の笑いがある。アンタらの笑いは明らかに悪質の笑いや」と痛烈に彼らの笑いを批判していた。

横山の批判に反発をした結果、指摘通りの事柄でバッシングの顛末を迎えるとは、なんとも因果なものである。

【参考記事・文献】
・http://tera04569.blog.fc2.com/blog-entry-2265.html
・https://npn.co.jp/article/detail/14842168/
・https://ameblo.jp/sparkling-miracle/entry-12836884627.html
・https://www.asagei.com/excerpt/224509
・https://www.excite.co.jp/news/article/E1470056112730/

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