呪い

【山口敏太郎の呪物コレクション】腕を奪って逃げる茨木童子

【腕を奪って逃げる茨木童子】

頼光四天王の一角である渡辺綱が茨木童子の腕を叩き斬った。腕を失った茨木童子が老婆に化けて彼のもとに現れ、斬られた腕を見るや否や鬼の姿に戻って腕を持ち去った。

この絵は、その場面を描いたものとなっている。

【茨木童子とは】

酒呑童子の家来とされている鬼で、中でも特に別格のポジションを与えられていたと言われている。

渡辺綱の鬼退治伝説は少なくとも二種類あり、羅生門で遭遇したものと、一条戻橋にて遭遇したものがある。一条戻橋の方は茨木童子と明言していないものの、いずれも女性の姿に化けている様子が描かれており、茨木童子は実は女であり酒呑童子と男女の関係だったのではないかとも言われている。

(写真:山口敏太郎事務所 所蔵)